5.フジ

学 名:Wisteria floribunda
科 名:マメ科フジ属
原産地:本州、四国、九州
植栽場所:園芸療法ガーデン

 

園芸療法ガーデンの藤棚に差し掛かったとき、大きなサヤエンドウがいくつもダラーんと垂れ下がっておりまして、なるほど調べてみるとフジは、マメ科なのですね!実の形に納得しました!

今回は見た目がおいしそうなフジを紹介します。

 

フジは、日本固有種で、本州、四国、九州までの日当たりのよい、やや湿度のある林縁や明るい樹林内に自生しています。落葉つる性木本で、他の物に巻き付き、大形にもなり、庭木樹や公園樹として植栽され、鉢植えや盆栽にも利用されています。成長が早く、幹は根元で3mにもなります。剪定にも耐えます。移植は追掘法という、主に根の先端を切られることを嫌う特殊な樹木に用いられ、太い根を切らずにその先端までたぐって掘り上げる方法で行います。

 

 フジは、フジに似たヤマフジが自生します。フジとヤマフジを区別するには、つるの巻き方で確かめます。つるの巻き方を上から見て、時計方向に巻いているものがフジ、反時計方向に巻いているものがヤマフジです。ということは、景観園芸学校にあるものは、時計方向なので、フジですね!

 

 葉は奇数羽状複葉で、互生につきます。小葉は先端が鋭く尖っていて、全縁で大きく波打っています。葉に表裏ともに毛がはじめは少しあるそうなのですが、次第に毛が少なくなるか無毛になるそうです。ちなみに景観園芸学校のフジは、葉の表裏ともに無毛でした。

 

 花期は5月で、皆さんもご存じかと思いますが、藤棚としてサクラやウメと並び日本人に広く親しまれている花木です。

 

さて、果実に関してですが、前述したように、マメ科→サヤエンドウという印象のように、大きなサヤエンドウの外見をしています。しかし、果実はと~ても硬い、、、そのままでは食べられません。炒るなどして食べます。しかし、フジの果実は煎じて下剤としても利用されたため、お腹を壊すと言われているので、注意が必要です。

 

「文化の中のフジ」

 

フジの花は、万葉集では27首にも登場しています。古くから日本人が好いていた樹木でもあるのですね。

また、藤布(ふじふ)という折り目は粗いですが、丈夫なフジのツルを使って、縄文時代から布が作られていたそうです。しかし、時代の流れで木綿や麻などに置き換わっていったそうです。

 


<参考①:濱野周泰(2005),原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木,柏書房>

<参考②:上原敬二(2012),樹木ガイドブック,朝倉書房>

<参考③:菱山忠三郎(2011),樹皮・葉でわかる樹木図鑑,成美堂出版>

<参考④:矢口行雄、(2013),樹木医が教える緑化樹木事典,誠文堂新光社>

<参考⑤:小川雄一(2014),図解でよくわかる 1級造園施工管理技術検定試験 平成27年度版>

<参考⑥:http://www.jugemusha.com/jumoku-zz-fuji.htm

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