園芸療法課程 授業紹介「園芸療法実習Ⅰ」

園芸療法課程全寮制学生による、認知症高齢者を対象とした園芸療法実習を実施しました。園芸療法課程通学制の学生も見学に来ました。

レイズドベッドに植えた花を使った「花のお弁当箱作り」がテーマです。

自らが植えた花を摘み、お弁当箱の吸水性スポンジに花を挿していただきます。

花の色彩や形、ハーブの香りの心地よい刺激を取り入れながら、「茎をつまむ、切る、挿す」を繰り返します。

軽度の認知症であっても、立位で20分程度、集中して花を挿すことができました。

何もせずに20分間立位を維持することは苦痛になるかもしれませんが、きれいな花を見てストレス軽減をしつつ、頭(精神機能)と体(上肢・下肢)を使います。

精神機能の一つである課題遂行機能を使い、どのように作品を作るかを考えながら作業している時には脳トレとしての効果が、作業に慣れて手が自然に動くようになる時にはストレス軽減効果が、そして作品観賞時にはコミュニケーション促進効果や自己肯定感の向上が期待できます。

お一人、園芸療法開始前に妄想的な発言が頻繁に見られました。学生は、この方のネガティブな話に対して共感的な答えながらも、きれいな花に話題を振るようにして気持ちがポジティブな方向へ向けていきます。妄想的発言は花を摘む時には大分減り、作品完成後は満面の笑みで帰られました。

心地よい緑の環境と、美しい植物と、セラピストが作る癒しの時間。

薬を使わない補完代替医療、“園芸療法”の確かな力を学生も感じたことでしょう。

花のお弁当箱作り「学生と協力して花を切る」
花のお弁当箱「自ら植えた花を利用する」
花のお弁当箱作り「立位」
花のお弁当箱作り「完成」

 

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