「日本造園学会関西支部大会」が開催されました

平成29年10月14日(土)~15日(日)の2日間、兵庫県(神戸市内と淡路市/淡路景観園芸学校)で、「さと・ひと・まちづくり」をテーマに「日本造園学会関西支部大会」が開催されました。

14日の午前中は、藍那の国営明石海峡公園神戸地区での見学会、午後は、神戸市の相楽園でシンポジウムが行われました。また、15日の研究発表会は、本校(淡路景観園芸学校)が舞台となりました。

主  催 : (公社)日本造園学会関西支部
共  催 : 兵庫県、神戸市、国土交通省国営明石海峡公園事務所
       兵庫県立淡路景観園芸学校、(公財)国際花と緑の博覧会記念協会
後  援 : (公財)兵庫県園芸・公園協会、(公財)神戸市公園緑化協会

初日の見学会には、28名が参加、神戸市役所花時計前に集合し、バスで、最初の会場となる「あいな里山公園」に向かいました。到着後、高畑園長から、公園の概要や取り組みの説明を受け、その後、棚田や再生古民家の見学、落花生の収穫や、びわ茶・柿の葉茶の手もみなどを体験しました。

里山の風景
見学の様子


落花生の収穫
びわ茶・柿の葉茶の手揉
体験


昼食後、午後の会場となる相楽園に移動、「これからの里山のあり方を展望する」をテーマに、約120名が出席し、シンポジウムが行われました。

実行委員長でもある本校の中瀬学長が開会の挨拶を行った後、環境省自然環境計画課保全再生調整官の岡野隆宏氏が、「SATOYAMA イニシアティブの現状と展望」と題して講演をされました。環境省における里地里山政策の経緯説明、2010年のCOP10で広く認識されることになった「里山イニシアティブ」に関して、現在 世界各地で展開されているプロジェクトについての報告や、「自然再生とあか牛飼育のマッチングによる阿蘇草原再生の取組み」、環境省の「森里河海プロジェクト」などについて説明がありました。

中瀬実行委員長
会場の様子


講演後、参加者から事例発表があり、その後、行政、大学、市民とのパネルディスカッションが、本校の林まゆみ准教授をコーディネーターとして進められ、里山に対する価値観や意識の啓発の重要性について活発な議論が交わされました。

事例発表について以下に記載します。(敬称略)

◆事例発表 : 「関西における里山活動の現状と課題」

事例①「ガーデンシティ舞多聞みついけ・てらいけプロジェクト」

舞多聞エコ倶楽部  橋本恒一

神戸市垂水区ガーデンシティ舞多聞での、里山を残した住宅群の計画に携わった経験から、里山付住宅のコンセプトや背景の他、造成、防災維持管理の各観点から里山保全の取組みについて報告されました。

事例②「尼崎の森中央緑地~なぜ尼崎信用金庫が森の創造に取り組むのか~」

尼崎信用金庫    和田敦裕

尼崎信用金庫という企業が地域貢献活動に取組む意義や役割を明らかにした上で、「あましん緑のプロジェクト」として取り組んでいる尼崎21世紀の森づくりへの参画について 兵庫県との協定や活動内容について報告されました。

事例③「国営明石海峡公園神戸地区 あいな里山公園が目指すこと」

あいな里山公園 高橋真理子

開園前から関わっている市民団体活動のコーディネイトなど、あいな里山公園で進めている里山体験メニューやプログラムの企画・運営等について説明があり、あいな里山公園が目指す管理運営に関して報告されました。

事例④ 「六甲山森林整備戦略について」

神戸市建設局    尾添 順

「六甲山森林整備戦略」を担当した経験から神戸市における都市山・六甲山の位置づけや森林資源の活用、森林所有者や大学と連携した私有林の森林再生に向けたプロジェクト等について報告されました。

事例⑤ 「“里山的”生き方、暮らし方の提案」

里山倶楽部     寺川裕子

大阪府南河内地域を中心とした里山倶楽部の里山保全活動を通じて、新しい里山的生き方や暮らし方が提案され、新しい世代による展開などの取り組みのほか、NPOとしての関わり方や役割について報告されました。

◆パネルディスカッション:「これからの里山のあり方を展望する」

<コーディネーター> 林まゆみ(淡路景観園芸学校)
<パネラー> 岡野隆宏(環境省)、長濱伸貴(神戸芸術工科大学、㈱E-DESIGN)
       深町加津枝(京都大学)、寺川裕子(里山倶楽部)、
       橋本恒一(舞多聞エコ倶楽部)

里山の価値について、経済・利用等の視点から議論がかわされ、各パネリストからグリーンインフラとしての将来的な投資の可能性から、里山での生活まで幅広い内容の発言がありました。

また、実際に里山地域で生活や保全活動を行う人の「地域スケール」の視点と、環境省の施策を例とした「国土スケール」の視点それぞれの立場から意見があり、里山に対する価値感や里山への意識啓発の重要性等について議論が交わされました。

会場の様子



シンポジウム終了後には、兵庫県教育会館ラッセホール1Fで交流会が開催され、学会会員間の親睦を深めました。

会場の様子
田中支部長挨拶


<第2日目>
10 月15日(日)2日目の研究発表会は、本校(淡路島/淡路景観園芸学校)を舞台に行われました。各会議室を使っての研究・事例発表セッションやポスター発表が開催されると共に、造園学会関西支部運営委員会、関西支部総会、関西支部賞発表と表彰式が行われ、参加者約100名が交流を深めました。

研究・事例発表セッション
ポスター発表コアタイム


関西支部総会

支部賞表彰



同時開催の「特別企画展示」も盛況のうちに終わりました。

同時開催の特別企画展示「大学連携によるみどり・ひと・まちづくり展」

主  催 : 兵庫県立淡路景観園芸学校
共  催 : (公社)日本造園学会関西支部
協  賛 : 淡路島内企業等
会  場 : 兵庫県立淡路景観園芸学校

ポスター・アート作品等の展示会場
ガーデンツアー:雨庭見学
茶話会の様子

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