ALPHA
Garden
見頃の植物     
(2006.7.21)

夏の小径

前回の更新は梅雨入りの時でしたが、梅雨が明けるのは少し先になるようです。全国各地で長雨の被害に会われた方々にはお見舞い申し上げます。ALPHAガーデンもそろそろ太陽が恋しくなってきました。キキョウやオミナエシが季節を告げています。へレニウムや、サルスベリもちらほらと咲き始めました。間もなく夏本番です。
 先日、咲き終わったラベンダーの花穂を切り取ろうとした職員が、アシナガバチにチクッとやられました。幸い大事には至りませんでしたが、ラベンダーだけでなく、サルビア、モナルダ、ブッドレアなど蜂たちが大好きな花が満開で、彼らも鼻息荒く、闘志をみなぎらせているようです。蜂だけではありません。ムシムシとしたこの季節、さまざまな「虫」たちが存在感をましてきます。このページ用の写真を撮影していたら久しぶりにジョロウグモの巣にひっかかりそうになりました。コガネムシのたぐいはアーティチョークや、カールドンの花が大好き。「むしゃむしゃ」という音が聞こえてきそうなほど夢中になって頭をつっこんでいます。ほかに、トンボ、カマキリ、チョウ、アリ、カメムシ、アブ、などなど。
 ああ今年もこの季節が来たかと思わせてくれるのは、アオバハゴロモ。吸汁以外には大きな害はないのですが、幼虫が白い綿のような、分泌物に覆われていて、これが植物の枝先に残るのが景観を害します。樹木や宿根草などありとあらゆる植物のやや太めの柔らかい茎につきます。幼虫はさわるとぴんぴんと飛び跳ねます。羽化すると若草色の羽が美しいとも思える虫ですが、学名が Geisha distinctissima とのこと。 
うーん、「芸者」ねぇー…。
ALPHAガーデンで不人気のもう一種はゴマダラカミキリ(鉄砲虫)。カエデやシイなどの幹に卵をうみ、ふ化した幼虫が木の中で成長して大きな穴を開けて脱出します。アオバハゴロモよりも被害は甚大で、これは見つけ次第無情にもハサミでぱちんと斬り殺します。つややかな墨色の身体に白いスポットがあり、長い触角も立派で美しい虫です。
 園芸作業はこうした生きもの達との生々しい戦いの連続でもあります。さぁ、今日も心の中で十字を切って、害虫を殺し、草を抜き、戦いがつづきます。



オリエンタルリリー
学名:Lilium cv.
科名: ユリ科
植栽場所: 花の庭
品種はさまざまですが、この夏のハイライトの一つは花の庭のユリです。昨秋にピンクカサブランカ(写真)など5,6種、200球以上の球根を植えつけました。ゴージャスな花は見た目に美しいだけでなく、甘い香りが辺りに漂って、何ともいえない優雅な気持ちになります。
ハンゲショウ
学名:Saururus chinensis
科名:ドクダミ科

植栽場所:四季の庭
白く見えるのは先端の葉の一部が白くなっているものです。花はドクダミのような小さなものです。半夏生の名前にまつわるストーリーもいろいろあって、興味深い植物です。
ディアスシア
学名:Diascia barberae
科名:ゴマノハグサ科  
植栽場所:花の庭
南アフリカ原産の宿根草ですが、高温多湿は得意ではないので、夏を上手に過ごさせてあげる必要があります。ピンク系の中間色が多くて、花色が使いやすいです。本種はレイハウスという会社が出している商品(リトル・ダンサー)です。
この長雨が少々心配…
ルドベキア・
学名:Rudbeckia 'Prarie sun'
科名:キク科    
植栽場所:テクスチャー&フォルム花壇
数年前に初めて植栽したときにはほかの場所ではほとんど見ることがなかった本種ですが、ガーデン愛好家の間ではだいぶ普及してきたようです。シルバーリーフはシロタエギクによく似ていますが、ピンクの花とのコントラストがなんともおしゃれです。下から枯れ上がって気安いので、定期的な株の更新が必要です。
   
ヘメロカリス
学名:Hemerocalis spp.
科名:ユリ科  
植栽場所:沿道沿い、花の庭など
高山植物のニッコウキスゲや、漢方にするノカンゾウは日本に自生するヘメロカリスですが、花壇材料としてでまわっているものの多くはアメリカで改良されたものです。別名のDay lily は一日限りの花をつけるからと思われます。カラフルで大きな花ですが、鉄分豊富なエディブルフラワーでもあります。丈夫ですが、巨大なアブラムシがつきやすいのが欠点です。黄色、レモン色、オレンジ、アプリコット、濃赤、ピンクなどカラーバリエーションが豊富。
ユーパトリウム・プルプレウム
学名:Eupatorium purpureum
科名:キクk科  
植栽場所:花の庭宿根草ボーダー
去年は1.5mほどの高さで咲いた花ですが、今年はびゅーっと伸びて軽く人の背丈を超えました。実は花はまだ咲いていないのですが、近日中に咲いてくるでしょう。聞き慣れない名前ですが、あのフジバカマの仲間といったらわかりやすいでしょう。ボーダーの背景をつくる、印象的な花です。

セイヨウニンジンボク
学名:Vitex agnus-castus
科名:クマツヅラ科  
植栽場所:花の庭 テクスチャー&フォルム花壇

3年前の苗木の時から比べたら、ずいぶんと立派に育ち、白花の木と合わせて、花を楽しませてくれます。丈夫で、育てやすく、美しい灌木。古くから母乳の出をよくするハーブとしてその薬効が珍重されてきたようです。
アキレア・プタルミカ
学名:Achillea ptarmica 'The Pearl'
科名:キク科  
植栽場所:花の庭 カラーコーディネーション花壇
ノコギリソウの仲間ですが、よく知られている西洋ノコギリソウとは趣の異なり、どちらかというとカスミソウによく似た可憐な花です。丈夫でよく増えますが、今年は特に花壇の中ではばを効かせているようです。英名のsneezewort は花粉をすうとくしゃみが出る(鼻づまりを治す?!)ことから。

And many more... (全ては紹介しきれないのですが、たくさんの花たちが皆さまのお越しを待っています、)
アーティチョーク アガパンサス  エキナセア
   
  フロックス・パニキュラータ  アメリカノリノキ’アナベル ポリゴナム・アンプレキシコウレ
ついに植え替えました! 
            銅葉コーナー


植え替えというか、植え付けといった方が正しいのかもしれ
ません。長らく裸地&雑草が目立っていた銅葉コーナー(銅
色、赤紫色のカラーリーフ見本花壇)をついに改修し終えまし
た。
広い面積(コストがかかる)、日向(半日陰対応の美しい銅葉
植物も多い)、斜面地という悪条件を乗り越えて何とかプランを
たて、まだ苗木ですが、紫葉のネムノキも植栽しました。(本花
壇では「銅色」の定義は広いので、あしからず…)

ネグンドカエデの足元にコクリュウ、シナロア・セージ、ヒューケラ
’パレスパープル’、アジュガ・レプタンス、花壇左よりセトクレアセア、
黒葉ダリア、銅葉ベゴニア、コプロスマ、イレシネ、バジル’ダーク
オパール’、カレックス、コリウス、カンナ、アカバセンニチコウ、セロ
シア’ベネズエラ’、メギ、ベニバナトキワマンサクの順に植栽。
                                                       

                                                        
*見頃のページをご覧頂いた(ている)皆様、ありがとうございます。最近は見頃の花情報以上にあれこれ書かせて頂き、やや暴走気味(?!)です。どうぞ皆様の忌憚のないご意見(異論・反論etc)をお寄せ下さい。alpha@awaji.ac.jp

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