ALPHA
Garden
見頃の植物     
(2006.11.30)

マホニア・メディア’チャリティ’
レモンイエローの蕾が美しい、セイヨウヒイラギナンテンの園芸品種です。
  メギ科 常緑低木 Mahonia x media 'Charity'
  ふと気が付けば、「師走」がすぐそこに!普段は落ち着いている「師」も走るほどせわしなくなる、年の瀬が近づいています。ALPHAガーデンも冬支度が半分ほど済み、今日は正面玄関にクリスマスツリーも登場しました。なんとなく気持ちが高揚して、なんとなく落ち着かない、そんな季節ですが、こんな時期だから朝の澄み切った空気を胸一杯吸い込んで深呼吸。気持ちを沈めて、事故や体調を崩すことなく過ごしたいものです。見頃のお花11月号というにはちょっと苦しいです。またまた更新が遅くなってもうしわけありません。
虹色スミレ メープルリカ
学名: Viola x wittrockiana.
科名: スミレ科
植栽場所: 一年草花壇
色も性質も改良が進み、本当に種類が多くなったパンジーやビオラ。これはタキイ種苗㈱が出している虹色スミレというシリーズの一つです。秋からクリスマスにかけての彩りにはこのような暖色系の色味が映えるようです。
ギョリュウバイ
学名:Leptospermum
科名:フトモモ科

植栽場所: カフェテリア周辺、風の庭
花壇の花が少なくなる頃にぐっと存在を主張する南半球の植物です。濃いピンクの花だけでなく、寒さに当たって紫色がかった枝葉も美しい。
ヒメツルソバ
学名:Polygonum capitatum
科名 タデ科 ...
植栽場所:風の庭、花の庭
同じ植物ばかりご紹介しててもいけませんが、この季節の定番としてはずせない植物です。少し盛りを過ぎましたが、今年も元気に咲き広がりました。
ピラカンサ
学名:Pyracantha angustifolia
科名: バラ科    
植栽場所:エントランススロープなど
鋭いとげがあり、管理には少々手を焼きますが、鮮やかな赤、朱、黄色の実がまさに鈴なりで、にぎやかです。トピアリーにも用いられます。
   
ナルキッサス’ガリル’
学名: Narcissus 'Galil'
科名:ヒガンバナ科  
植栽場所: 球根花壇
秋から咲き始める房咲きスイセンです。日本スイセンの仲間ですが、副花冠まで純白で気品の漂う花を1月ぐらいまで楽しめます。
ガーデンシクラメン
学名: Cyclamen persicum
科名:サクラソウ科  
植栽場所: 花の庭
冬の鉢花の代表のようなシクラメンですが、何年か前からこの寒さに強い花壇向きの品種が出回るようになりました。花茎の長さは15cmほどですが、色合いも鮮やかで、冬枯れの庭がぐっと華やぎます。
日々思うこと

 今年は異常に温かかった秋のせいで野菜の値段が大暴落とのニュースが入ってきていますが、立派に実った野菜たちが出荷されずに捨てられたり、畑で無惨な姿をさらしているのをみると、人間は愚かな生き物だと思わずにいられません(すぐ近くにはお腹をすかせている子どもたちがたくさんいるのに!)。精魂込めて栽培された農家の方の心の内はいかばかりだろうと察します。『実り』が豊かなことが喜ばしくないなどというのは、どこか間違っているとしか思えません。
しかし同じような話は牛乳にも言えるそうですし、もっと広い世界を見たらこの世の中に蔓延している「無駄」の量にめまいがすることでしょう。「MOTTAINAI(もったいない)」を世界共通語に、とキャンペーンを展開している一方で、こうした分野はなかなか改善が難しいのが現状です。市場経済によって、大根、白菜、そして牛乳といった、いわば生命が無惨に押しつぶされ、捨てられていく現代社会、そしてそのことに何の疑問も持たない現代人に、ある時天からの鉄槌が振り下ろされるでしょう。時代は進化しているのか、それとも後退しているのか…?

 
 では庭づくりの世界はどうでしょう、イギリスから来日している客員教員のバニスター先生と昼食をご一緒しながらこんな話が出ました。「ガーデニングの本場の英国でも現場を知らない、土に触れないガーデンデザイナー達が増えている。学校でも座学が主になり、実習、演習の時間が減っているとのこと。こうしたにわか仕立ての『自称デザイナー』の作ったプランを見ると、実に美しい絵が描かれているものの、環境に合わない植物、入手不可能な植物を平気でリストアップしていたり、面積当たりの数量も不適切で、とても実現できるものではない」とのこと。それでは英国庭園の将来も心配だねぇというと、先生は続けました「それでも楽観的に見たら、これからしばらくは石油価格も上がり続けるだろうし、こんな無駄な経済活動を我々は続けられなくなる、庭に関してもみんな先人に習って、もう一度自分たちの手で土を耕し、植物を育て増やす、素朴なライフスタイルに戻って行かざるえないだろう」と。なるほど、MOTTAINAIキャンペーンしかり、ロハス、スローライフと今はまだ表面的な流行にすぎないものですが、素朴な生き方が見直されてるという傾向もたしかにあります。本当に先人の知恵にすがらなければならないことに気づいたときには、それが遠い昔に失われたものとなっていないことを願いたいものです。



                                                        
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