見頃の植物 - ALPHA GARDEN

ALPHA
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見頃の植物     

(2008.2.20
こんにちは。毎日寒いですね。淡路でも今年は雪がよく降ります。雪に包まれた淡路の山々を眺めながら勉強に励んでいます。冬は空気も澄んでいて夜空を見上げると瞬く星をくっきりとみることができます。ここでの寮生活は自然を直に感じる事ができ、毎日発見・毎日新鮮です。節分も立春も過ぎて暦の上では春ですが、寒い日が続いていますので皆さんもお体をご自愛下さい。では、2月の見頃行ってみよう
                                  <コニファー特集>

 コニファーとは針葉樹の総称です。日本になじみ深いクロマツなどもコニファーです。

円錐形、球形、盃形など樹形も種類によって異なり、枝垂れるもの、匍匐するものなどもあります。近年では園芸種も多く流通しているのでお庭のイメージや植える場所によってお気に入りを選んでみて下さい。クリスマスツリーになったり、防虫・芳香剤に使われたりと私たちの生活にも身近な存在です。

また、コニファーを利用した庭は、ドワーフ種だけを配したドワーフガーデンや、高山をイメージしたロックガーデンなど多様な庭造りができます。学内にはロックガーデンに植栽してあったり、シンボルツリーとしてコニファーを多彩に活用しています。

ヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ

Picea abies

科名:マツ科

原産地:ヨーロッパ

植栽場所:実技フィールド

ヨーロッパトウヒは、ヨーロッパからシベリアにかけて広く分布する常緑針葉樹です。ドイツの「黒い森」(シュヴァルツヴァルト)の主要樹種としても有名で、日本でも、クリスマスツリーとしてよく利用されています。

冒頭でも申しましたように、今年はよく雪が降るようで、葉の上に雪が乗った景色は、ヨーロッパの冬を思わせてくれます。

ヨーロッパトウヒは60Mほどの樹高にまで成長する樹木なので、庭に植えてみたものの大きくなりすぎてもてあましているという話もよく耳にしますので、将来を考えて植える場所を検討する必要があります。また、植木屋さんや専門の業者も気をつけなくてはなりませんね。しかし、ヨーロッパトウヒはなかなか有用な樹木で、冬の防風林になったり、材はピアノになったりします。また、宮沢賢治は冬の厳しい寒さに耐えぐんぐん成長していくこの木に特別の思いを抱いていたようです。景観園芸学校のヨーロッパトウヒはまだまだ小さいですが、これから、20年後どうなっているか楽しみです。

アリゾナイトスギ‘ブルーアイス’

Cupressus glabra ‘blue Ice’

科名 ヒノキ科

原産地:北米

花言葉:不変

植栽場所:風の詩近辺

コメント ブルーアイスという名のとおり、シルバーブルーの葉を広げるコニファーです。さながら樹氷のような雰囲気を感じます。耐暑性がありますが、耐寒性にやや劣り、北海道での越冬は難しいです。幼木の頃は根が浅く、葉も他のコニファーと比べると軟弱でボリュームに欠けますが、成木になるとしっかりと根付き、生育は旺盛で年間に30cm以上伸びます。最近では寄せ植えにも使われ、コンテナの中に鮮やかなシルバーブルーの彩りを添えます。

センペルセコイア

Sequoia sempervirens

科名:スギ科

原産地:北米

花言葉:不変

植栽場所:風の詩近辺

コメント:世界一の高さになる高木です。太古の昔に大きな群落を形成していたことを考えると、ワクワクしますね。米国には、信じられないぐらいに成長した巨木が現存するそうです。見てみたいですねぇ。クリスマスが近づくと、私達はこのセンペルセコイアの頂上まで登って電飾を設置します。

今回は学年一番の木登り名人が駆け上がりました。頂上は寒風が厳しかった、とのこと。次回は誰が登るのでしょうか。楽しみですね!?


問題の多いコニファー代表

ゴールドクレスト

Cupressus macrocarpa ‘Goldcrest’

 流通量が多く、ホームセンターなどでよく見かけるコニファーです。色や形も良く、多くの人に好まれています。しかし、木の性質などから、日本では栽培が難しいとされています。例えば、梅雨時に枯れ始めることもよくあります。対処方としては、日当たり・風通しがよく高温多湿にならないようにし、冬場は屋内の日当たりのよい場所に置くことです。しかし、管理が大変なので、スギ、サワラ、ビャクシン類、イチイ、ヒノキなど日本の気候に適した樹種を選択したほうが良いと言えます。

大きくなったコニファーの対処方法

 流通しているコニファーはほとんどの品種の最終樹高が10m以内で、本来多くの原種が20m以上の高さになることを考えると十分矮化(小さく)されているということになるでしょう。しかし、10mほどのコニファーは庭木としてはかなり大きいので、なるべく大きくしない育て方を説明します。

 自然樹形を楽しむコニファーですが、こまめに整姿・剪定して管理することで、大きさを調整できます。庭植えの場合整姿剪定を行うのに適してるとされる時期は春、新梢が伸びる前と、伸びた新梢が固まる初夏の頃とされ、コニファーの活動が穏やで悪影響を受け難い晩秋から冬季にも可能です。

 鉢植えでは、刈り込んでトピアリーとして楽しむことが有効な方法でしょう。

       【春の花木特集】

 寒さの中で早くも花を咲かせているロウバイ、ミツマタ、ウメの香りは鮮やかに春をつげています。日本では昔から親しまれてきたこれらの花木は、春という生まれかわりの季節をさりげなく演出してくれます。
ウメ

Prunus mume

科名:バラ科

原産地:中国

花言葉:澄んだ心、忠義、高潔

学内の植栽場所:図書棟横の日本庭園、事務棟玄関前

コメント:ウメはいち早く春を告げる花として、なじみ深いですね!今年もまだまだ寒いですが、春までもう少しがんばれとウメの花が元気づけてくれている気がします。ウメは花だけでなく果実や樹形まで楽しめるお得な木です。しかも日本では、北海道から九州まで植栽できます。是非お庭に植えてみてください!盆栽にしてもかわいいですよ♪

ミツマタ
Edgeworthia chrysantha
科名:ジンチョウゲ

原産地:中国中南部・ヒマラヤ地方

植栽場所:日本庭園

コメント:春の訪れを待ちかねたように淡い黄色の花を一斉に開きます。花はよい香りがします。ミツマタという名は文字通り枝が3つに分かれる特徴があるので「三叉」なのです。園芸品種では、オレンジ色から朱色の花を付けるものもあり、そちらは赤花ミツマタと称されます。昔から和紙の原料としてあまりにも有名で、書道用紙・美術工芸紙などがそうですが、実は日本の紙幣がこのミツマタから作られているという事実は以外に知られていないのではないでしょうか?というようにもともとは製紙用の木ではありますが花木としても充分魅力的ですね。写真はまだ蕾ですが、Alphaガーデンのミツマタが咲き誇るのも間もなくです。

スイセン 
Narcissus cvs. 

科名:ヒガンバナ科 

原産地:欧州~中近東

花言葉:自己愛、神秘、気高さ

学内の植栽場所:県道沿い、分区園など

コメント:約50種類もの原種があると言われるスイセンは花色や姿形さまざまあります。その凛とした立ち姿で、1月から3月にかけて綺麗な花を咲かせます。

美しいものにはトゲがあると言いますが、スイセンも例外ではありません。実はリコリンという毒を持っているんです。全草が有毒なのですが、特に多いのが鱗茎(球根)です。要注意ですよ。ニラとよく似ているので、間違えて食べないようにしてくださいね。

 有毒植物とはいえ、口にしなければ他の植物と同じで綺麗です。学内では広い範囲で植栽され、早春の見所の一つとなっています。とても見応えがありますので今のこの時期にぜひ見に来てみてください。

 また、南あわじ市にある「灘黒岩水仙郷」も素敵に咲いています。こちらもおすすめですので、行ってみてください。

*おまけの紹介*

アオモジ

学名:Litsea citriodora

科名:クスノキ科

原産地:日本(九州西岸沿い~西南諸島)

コメント:校内ではないのですが、学校の周りの山々に咲いています。

アオモジは葉が出る前に淡黄色の小さな花をつけます。花だけを見ると同じクスノキ科のクロモジと見分けがつきません。つぼみはまん丸で可愛く、とてもいい香りがします。雌雄異株で,果実は秋に黒紫色に熟し,香料として使われます。

また、枝にもわずかにレモンのような香りがします。茶道の楊枝に使われるクロモジのように、アオモジの枝も高級楊枝に使われているようです。

 アオモジの分布域は元々九州西岸沿い~西南諸島でしたが、最近では関西方面にも広がってきているようで、海を渡った淡路島にもその勢いが迫っているんですね。さらに、アオモジは、林が伐採されたあとに一番乗りで発芽してくる緑のパイオニアのような木というのも特徴の一つです。

 アオモジを見つけに是非淡路にお越しください。

<学生のALPHAな日々②>

 2月になると学生たちはどこか落ち着きません。なぜかというと期末試験やレポート作成、卒業演習も大詰め!就職活動も本格化!と重要な行事が重なってくるからです。

 今回はその試験のなかでも景観園芸学校らしい『同定試験』のお話です。同定試験とは「景観園芸植物同定試験」のことで前期と後期に行われ、授業内に紹介された植物の一般名・学名・科名(他に原産地や管理の仕方、使い方なども)を覚え、試験日に枝や葉、花、雰囲気などから植物を判別する試験です。後期だけでも草本・木本合わせて130以上の植物を覚えるのは大変ですがとてもためになります。覚える秘訣はやっぱり本物を見る事。学校内には沢山の植物が植えられていますし、学校外も自然豊かで生きる教科書とでも言うのでしょうか、とても学習には恵まれています。試験が近づくと学生たちが植物を見るやいなや葉っぱをさわってブツブツつぶやく光景ちょ
っと奇妙です。みなさんは何種類の植物をご存じでしょうか?世界には数え切れないほどの植物があります。改めて自然の懐の深さを感じる今日こ頃です。

同定試験前夜の机の上はこの有様・・・

夜遅くまで試験対策は続きます

試験当日も様子

 

*見頃のページをご覧頂いた(ている)皆様、ありがとうございます。ご意見や、ご感想などをお寄せ下さい。alpha@awaji.ac.jp

 

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