ALPHA
Garden

       見頃の植物    

(2008.06.03

いつのまにか日中は半袖で過ごせる気温となり初夏を感じる季節となりました。6月が旬の果物のなかにビワがあります実は、ビワは淡路景観園芸学校のある旧北淡町(現在は淡路市)の特産物です。タマネギの陰に隠れている印象ですが、果実も大きくとてもおいしいです。学校付近のビワ畑では袋がけされたビワたちが収穫の日を待っています。学校内にもいくつかビワの木が植わっています。黄金色に輝く実は勿論のこと、葉もお茶に利用できるなど、ビワは有用な植物です。 それでは6月の見頃の植物行ってみよう!

シャクヤク

Paeonia lactiflora

科名:ボタン科

原産地:中国北部

花言葉:はじらい、つつましやか

植栽場所:日本庭園

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「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言われるように、豪華で美しい花は見応えがあります。花はボタンとにていますが、ボタンが落葉小低木なのに対しシャクヤクは多年草です。そのため冬には地上部が枯れて休眠します。ALPHAガーデンでは日本庭園に植栽されていて、せせらぎと新緑の落ち着いた雰囲気に一滴の絵の具を落としたような彩りを添えています。花言葉にあるように、華やかななかにもつつましさがあるため、和にも洋にも合わせやすく、ガーデンのポイントとなってくれます。

タイサンボク

Magnolia grandiflora

科名:モクレン科

原産地:北アメリカ

花言葉:壮麗、自然の愛情

植栽場所:県道沿い、レジデンス前

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梅雨空の下で堂々と大きな白い花を咲かせている姿を見ると、雨が降っていても足を止めたくなります。タイサンボクは常緑高木で大きな葉を付けるので花が咲いていない時期でも存在感があり、公園のシンボルツリーや街路樹として使われています。花は上向きに咲くため木の下からではなかなか花を観察できないので、高い場所から眺められるところに植栽すると良いと思います。個人のお庭で植栽する場合は、タイサンボクよりも背丈の低いヒメタイサンボクがお勧めですよ♪

ヒルザキツキミソウ

Oenothera speciosa

科名:アカバナ

原産地:アメリカ、メキシコ

植栽場所:分区園、カナダ庭園周辺
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北米から観賞用として渡来したヒルザキツキミソウは、帰化植物として日本で定着しています。強健な性質から野生化している模様です。キャンパスでも、野生化したヒルザキツキミソウが斜面いっぱいに風に吹かれて揺れる様子は見事です。花の開花時期は初夏~夏です。ツキミソウは夕方に開花し朝にはしぼんでしまいますが、ヒルザキツキミソウは名前の通り、昼間から花を咲かせ2~3日は花がもちます。白色から、開花後に淡いピンクに変化する様子はとても愛らしいです。


ブラシノキ

学名:Callistemon speciosus

科名:フトモモ科

原産地:オーストラリア

花言葉:気取る心、はかない恋

植栽場所:ロックガーデン、日本庭園

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ブラシノキは、花序がビンを洗うブラシのような形であることから名付けられました。また、花後に実がなりますが、山火事にあうまで木についたまま種子を出さず、木が死んでから実が割れて種子が飛び散る性質があるといわれています。日本にブラシノキが渡来したのは明治中期頃で、最近では公園木として利用されることも多くなっているようです

オウゴンシモツケ

Spiraea japonica‘Goldflame’

科名:バラ科

原産地:中国南部

花言葉:整然とした愛情

植栽場所:花の庭

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6月。初夏の青空の下、小さな花が集まって花火のような見応えのある花を咲かせます。本種は若葉が明るい黄色の種類です。ちなみに、私の生まれ故郷の栃木県は昔、このシモツケが多く見られることから下野の国(シモツケの国)と呼ばれていたそうです。ただし栃木県には、大規模なシモツケの自生地があるとは聞いたことがないので、今となっては、その真偽は分かりません。庭木としては、剪定にも耐える低木なので扱いやすいです。少し地味ですが、紅葉もあるので変化に富んだ庭造りの脇役として活躍してくれそうですね。

オオバオオヤマレンゲ(大葉大山蓮華)

Magnolia sieboldii subsp.sieboldii

科名:モクレン

原産地:朝鮮原産

花言葉:愛に忠実

植栽場所:花の庭

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校内に植栽されているのはオオバオオヤマレンゲといい朝鮮半島・中国原産のオオヤマレンゲで、雄しべの葯の色が赤紫色なのが特徴です。中国では天女花といわれています。特に、日本在来のものをオオヤマレンゲと呼び、雄しべの部分が淡い黄色なのが特徴です。深山に生え、高さ2~5mになりますが直立しないで斜めに生えている方が多いです。5~7月に甘く清々しい芳香のある白花が下向きかげんに咲きます。奈良の大峰山にちなんでつけられた名前で、近畿では大峰山脈の弥山から八経ヶ岳の間の群生地が有名で鹿の食害から護るためにネットで保護されています。

ゲラニウム・サングイネウム

Geranium sanguineum

科名:フウロソウ科

原産地:欧州~コーカサス

花言葉:繊細な美 

植栽場所:ガゼボ周辺
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学名にゲラニウム(Geranium)とあり、園芸店にある「ゼラニウム」や「ゲラニウム」と呼ばれて置かれている品種と同じ仲間のように思いがちです。しかし、園芸店で「ゼラニウム」と呼ぶと、テンジュクアオイ属(Pelarugonium)に属する別の品種のことを指してしまうことが多く、紛らわしいです。
本種は山野草店ではアケボノフウロという名前で置かれていることもあり、丈夫で乾燥にも強く、春からから初夏にかけて花を楽しむ事ができるので、最近では花壇やロックガーデンにも取り入れられることが増えています。

<小特集  シェードガーデンを楽しむ>

ほとんどの建物で居室が南向きになる日本の住宅事情では、日陰になりがちな北側に庭のスペースがあり、さらに通りに面することが多くあります。つまりこの北側の庭を潤いある庭にできれば町並みも美しくすることにつながるのではないでしょうか!?

日陰の庭は、日当たりの良い庭にはないしっとりとした雰囲気をつくりだせるなどの魅力があります。また、昔から日本人は日陰の庭をつくることに長けていました。日本庭園や坪庭には日陰の庭を楽しむヒントが多く見られます。さらに里山の林床はこういった木漏れ日の半日陰を好む植物が自生しています。ALPHAガーデンの日陰の場所でも、多くの植物が様々な表情を見せてくれます。これから迎える暑い季節に、涼を求めてシェードガーデン散策というのはいかがでしょうか。

シダ植物 日陰にも強く、丈夫で日本の気候に適しています。また、色々な形や色の葉は、しっとりとした空間を演出してくれます。

クサソテツとアイリスの組み合わせ

若葉はまさに紅色のベニシダ

タマシダの新芽とコクリュウ
ギボウシ 日陰で生き生き育つ優秀なシェードガーデンの植物です。葉の大きさや色が豊富です。なんと言っても一つとして同じモノがない斑入りの葉は、庭にアクセントを持たせて      くれます。5~6月は花も見頃です。

シランとギボウシの組み合わせ

ギボウシの花は清楚 ギボウシいろいろ
アカンサス モリス 斜面や擁壁でも立派に育つ丈夫な植物です。ウィリアム・モリスの壁紙デザイン           でもモチーフにされている葉の形がユニークです。今が見頃の穂状の花は華や           かで、切り花としても楽しむことができます

ミズヒキ 日本全国に分布する多年草です。模様のある葉が特徴的で、晩夏には祝儀袋の水引のような     細長い花をつけます。ニューサイラン、アスチルベ、ヒューケラやセキショウなど他の植物     と組み合わせるのもオススメです。
<学生のALPHAな日々⑤>

新緑が綺麗になり初夏の日差しがまぶしいある日の授業風景です。この日は、キャンパスの建っている野島常磐の里地里山を観察するツアーに出かけました。この授業は景観園芸専門課程の2年生の授業ですが、野島常磐で暮らして1年・・・まだわからない植物や動物、野島常磐の文化との出会いにキラキラと好奇心旺盛な瞳が輝いていました。見慣れた風景でも、じっくり観ること、他の角度から見ることで全く違う印象です!常に変化し続ける自然の中で勉強できるALPHAな日々は、素敵な刺激でいっぱいです☆

6月には水が張られ苗が植え付けられる棚田

畦に咲くアザミの花

甲羅干しをしているカメと遭遇!みんなの人気者に
G8 環境フェアin KOBEに作品出展☆

 5/235/26にかけて行われたG8環境大臣会合に合わせて「環境フェアin KOBE」が開催されました。日本の最先端の環境技術などを紹介した展示が多数参加した中に、淡路景観園芸学校も出展して来ました!地球温暖化対策として緑は不可欠ですが、ただ増やせばいいのではなく、生物多様性への配慮という視点を提案出来れば・・・という想いを込めた庭をつくりました。景観園芸を学ぶ者として、社会に貢献するべく日々勉強に励んでいます。

 

*見頃のページをご覧頂いた(ている)皆様、ありがとうございます。ご意見や、ご感想などをお寄せ下さい。alpha@awaji.ac.jp

 

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