ALPHA
Garden

                  見頃の植物    
〈2008.10.8更新〉

10月になりました。残暑は月の下旬まで続きましたが、朝夕は涼しさを通り越して肌寒さを感じるほどです。植物たちは賑やかに、
そして切ないぐらいに季節を彩ってくれます。盛夏を謳歌した植物と交代して、初秋からジワジワと盛り返す植物たちの逞しさは目を見
張るものがあります。木々が艶やかな秋衣に着替える季節は、すぐそこまできています。

私たちは、フィールドを通して季節の移ろいを色や風や匂いで感じとることを学びました。季節は過ぎ、そしてまた巡ります。しかし、同じ
瞬間は一つとして無いことを木々や草花は盛衰を通して教えてくれます。世界を感じる瞬間は、いつだって嬉しい気持ちでいっぱいになり
ますよね。

それでは10月の見頃、行ってみよう!

サルビア・レウカンサ

Salvia leucantha

科名:シソ科

原産地:メキシコ 中南米

花言葉:(サルビア)尊敬、燃える思い など 

植栽場所:花の庭、国道沿い など

コメント: よく花壇に植栽されているサルビア・スプレンデンスは一年草扱いですが、このファリナセアは多年草として出回ります。成長すれば草丈が1メートルを超え、半低木となります。写真の美しいムラサキ色の部分は花の筒弁でビロードのような毛をたくわえているためフワフワで触り心地も良いです。

分枝が良く、ボリュームがでるので広いスペースで大株に育てると見事です。このレウカンサの他にもサルビアの仲間には晩夏から秋にかけて綺麗なものが多くあります。学校から程近い観光名所である淡路花さじきではコスモスと共にサルビア・ファリナセア(Salvia farinacea)が、また畦道などでよく見かけるアキノタムラソウ(Salvia japonica)も日本のサルビアです。Alphaガーデンにも様々なサルビアが植えられています。お気に入りのサルビアを探しに是非遊びにいらして下さい。

サルビア豆知識

 ハーブの本を読むとセージという植物が良く出てきませんか?実はこのセージ(主にコモンセージ)は、ラテン語のSaliviaが転じてSageとなったとも言われているようにレウカンサなどと同じサルビアの一種です。園芸店では同一の植物が「サルビア~」という名前だったり「~セージ」という名前で売られていたりします。その例を下に表記してみました。もしお店へ行って探しているセージがなくても、サルビアの名前で並んでいるかも知れません。※ただしエルサレムセージやロシアンセージのように、セージの名がついてもサルビア属ではないものもありますのでご注意下さい。

サルビア・オフィシナリス=コモンセージ

サルビア・レウカンサ=アメジストセージ又はメキシカンブッシュセージ

サルビア・インディゴスパイアーズ=ラベンダーセージ

サルビア・エレガンス=パイナップルセージ

サルビア・コッキネア=トロピカルセージ

サルビア・ウルギノーサ=ボックセージ

サルビア・パテンス=ゲンチアン・セージ


レウカンサの紫花品種

インディゴスパイアーズ

パテンス

エレガンス

ソリダゴ

Solidago Compositae

科名:キク科

原産地:北アメリカ

花言葉:私に振り向いて

植栽場所:植物分類見本園

コメント:和名ではアキノキリンソウやアワダチソウとも呼ばれ、その名の通りセイタカアワダチソウの仲間です。しかし、他種を脅かすほど広がったりはしませんので、学内でも見本園に直に植栽しています。最近では、切り花のアレンジにも使われていますので和の雰囲気を作りたいときにお勧めです。さらに近い仲間では、ソリダゴとアスターの交配種ソリダスターも有名です。こちらは洋の雰囲気ですので、用途に合わせて選ぶ楽しみがありますね。

コムラサキ

Callicarpa dichotoma

科名:クマツヅラ科

原産地:日本、朝鮮、中国

花言葉:上品、聡明、知性

植栽場所:日本庭園

コメント:コムラサキはその名の通り、秋になるとムラサキ色の小さな実がたわわにつき、目を引く低木です。枝のしなだれた様がとても柔らかい雰囲気を醸し出しているので、自然風のお庭ととても相性が良いと思います。他には生け垣や公園などで植栽されています。また、コムラサキの仲間でシロシキブという白い実を付ける品種もあります。このシロシキブとコムラサキを混植するのも素敵ですよね♪


ハゼノキ

Rhus succedanea

科名:ウルシ科
原産地:東南アジア
花言葉:真心
植栽場所:フィールド各所

コメント:初秋から、真っ赤に映える紅葉の美しさは、雑木林でも群を抜いています。個人的な話ですが、寄せ植えコンテナの時に和風の植栽を狙って、小さなハゼノキを植えたことがありました。とても綺麗な紅葉でした。日当たりを好み道路と雑木林の境目のような場所でよく見かけます。鳥が好んで実を食べることから種子はいたるところで発芽しています。ウルシほどではありませんが、かぶれることもあるので、肌が敏感な方は注意が必要です。

シュウメイギク

Anemone hupehensis

科名:キンポウゲ科

原産地:中国

花言葉:耐え忍ぶ恋

植栽場所:カラーガーデン、日本庭園 など


コメント:キクと名前に付きますが、キク科ではありません。英名ではJapanese anemoneというところから日本のアネモネなんだなぁ・・・と思うのですが、古く中国から渡来したという説が今では有力なようです。

白や淡いピンクの花(実は顎です!)が風に吹かれ、秋の高くなった空にとても栄えます。アネモネとは違い清楚な雰囲気で、刻々と移り変わる季節の儚さにとても似合う花なのです。

半日陰の場所を好むので坪庭や樹木の根元などでもしっかり育ってくれます。暗くなりがちな常緑樹の下にギボウシやツワブキと植栽すると華やいだ印象になりますよ。ちなみに、茶花としても愛されている植物です。

 


シオン

Aster tataricus

科名:キク科

原産地:中国

花言葉:追憶、力強い姿

植栽場所:ガゼボ横

 

コメント:寒さに強く、秋を知らせる花として生け花にもよく利用される宿根草です。苗から育てる場合は34月に植え付け、生長すると高さ2mにもなり、9月にはその頭に3cm程の紫色の花をつけます。学名のAsterとはギリシャ語で「星」という意味で、茎頂につく花を星に見立てたのが由来だとされています。日本では平安時代から栽培が始まり、漢字で「紫苑」と記されました。美しい名前ですね。淡い紫色をかくも表す日本人の心は素晴らしいものです。

 




タイワンホトトギス

Tricyrtis formosana Baker

科名 ユリ科ホトトギス属

原産地:沖縄県および台湾

花言葉:永遠にあなたのもの

植栽場所:日本庭園


コメント:
ホトトギス属の植物は東アジア(日本台湾朝鮮半島)に分布し、19種が確認されています。そのうち日本では 13(変種を除く)が確認されており、うち10種は日本固有種です。山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの、日当たりの弱いところに自生します。

葉は互生し、楕円形で長く、葉脈は縦方向で、表面には毛が生えます。
花期は初夏から秋にかけてで、雌雄同花で上向きに咲き、花弁が6枚で直径数センチ程度のもので 24日程度咲くことが多いです。ジョウロウホトトギス類は黄色く下方向に向く釣鐘型の花を 45日ほどつけるものが多いです。学内のものはタイワンホトトギスといい沖縄県および台湾に自生します。自生地が局地的のため絶滅危惧IA(CR)に指定されています。

<学生のALPHAな日々⑧>

 

 夏休みが終わって、真っ黒く日焼けした学生たちが戻ってきました。1年生は職場体験実習で、それぞれが目指すべき将来と自分を重ね合わせて、
真剣な態度で実習に取り組んだことでしょう。インターン受け入れ先の方々、貴重な体験をありがとうございました!
 さて、9月は普段の授業とは異なり、短期集中型の演習がありました。一年生は測量実習を行いました。西作業室を中心として、平板測量やトータルステーションを用いた実習でした。一方二年生は日本庭園を現場とした庭園施工演習を行いました。石を敷き詰めた小径を作り、せせらぎに耳を傾けることができる小さな空間をしつらえました。本校にいらっしゃった際には、是非お立ちより下さい。