ALPHA
Garden
見頃の植物     
(2007.6.29)

花の庭 ブルーガーデン

1ヶ月以上の間、見頃の植物の更新をせずにいると、ALPHAガーデンもすっかり夏の装いです。晴れが続いて梅雨を忘れそうになると、雨が降り出し、その後に霧がたちこめます。淡路がこんなに霧の多いところだとは知らなかった と言うと、淡路でもここだけだよ と返事が返ってきます。事実、ひどい霧だなと思っていても学校のある山の上から海沿いの町に降りると、とたんに霧が晴れてしまします。
 距離的には近いのに気候は全然違うのだな と感心したり、同じ地域でも植物の生育が良かったり悪かったりするはずだな と考えたりします。

 全寮制でなく、通いの学生であったなら、ALPHAの植物の置かれている環境をこんなにも知ることは無かっただろうと思うと、街から離れて不便なことはあっても、植物とこんなにも密着している生活に感謝せずにはいられません。


スモークツリー

学名:Cotinus coggyria
科名:ウルシ科
原産地:中国、ヨーロッパ
植栽場所:カラーガーデン脇

花が散った後の花序がフサフサした毛のようになる。煙が立ち上ったように見えることから煙の木(スモークツリー)とも呼ばれている。写真にあるような銅葉のものは、葉だけでも楽しめます。(落葉ですが)

フェイジョア

学名:Feijoa sellowiana
科名:フトモモ科
原産地:南米
植栽場所:カフェテリア付近

南米原産の果樹。内側が淡い赤色、外側が白色の内側に丸まった花びらを持つ。果実がパイナップルの香りに似ていることから、パイナップルグァバとも呼ばれる。果実だけでなく、花びらも食べることができます。

アジサイ

学名:Hydrangea cvs
科名:ユキノシタ科(アジサイ科)
原産地:日本・中国
植栽場所:学内各所

梅雨時の定番といえばアジサイ。現在では赤・青・白等の様々な色のアジサイがありますが日本の土壌は本来、酸性であるため、日本古来のアジサイは青だそうです。栽培に関しては容易で、特に日陰の庭(シェードガーデン)で咲く花として貴重です。ちなみに去年一番多く売れたアジサイの品種は、『隅田の花火』という品種だそうです。

アサギリソウ

学名:Artemisia spp
科名:キク科
原産地:日本北部、サハリン、千島等
植栽場所:学内各所

繊細で涼しげな草姿ですが、意外にも田んぼの畦に生えるヨモギの仲間で、葉はヨモギと同じような香りがします。自生地は中部地方以北の高山や海岸の岩場に生えるので、乾燥には強いですが、夏場の高温多湿にやや弱い性質があり、蒸れて枯れることがあります。夏場に一度刈り込んでやると、秋口に新葉を展開します。

                                 

アスチルベ

学名:Astilbe × arendsii
科名:ユキノシタ科
原産地:日本・中国
植栽場所:学内各所

日本にも数種類が自生する多年性の植物。トリアシショウマ等が日本の原種です。主に栽培されているのは、日本や中国の原種をヨーロッパで品種改良をしたものが逆輸入され出回っています。様々な環境に対応するので栽培しやすい植物ですが、寒風に当てないと花が咲きにくくなる性質があり、鉢植えでも室内に取り込んだりしないようにしましょう。アスチルベに限らず、ユリやバラ・ホスタ等人気の植物の原種は多くが日本産です。

ネジバナ

学名:Spiranthes sinensis var.amoena
科名:ラン科
原産地:北海道から九州・樺太・千島・朝鮮・中国・ヒマラヤ等
植栽場所:実習フィールド周辺

ラン科ではめずらしく、芝生、公園等の人間の生活圏に近い所で普通に見ることができます。花後の夏は葉が枯れて休眠、いわば夏休みをして秋に新芽を出します。栽培はネジバナ単体で植えると気難しく、他の植物と植えると栽培しやすいようです。雑草のイメージが強いですが、葉に斑などが入るものは小町蘭と呼ばれ、古典園芸の一つとして扱われています。

ホタルブクロ

学名:Campanula punctata
科名:キキョウ科
原産地:日本・朝鮮・シベリア
観察場所:学校周辺 田の土手、道路脇

ホタルブクロの名の由来について、花の中に蛍を入れて遊んだから、と聞いたことがあります。そこで子供の時分にわざわざ蛍を採ってきて、庭のホタルブクロの花の中に押し込んだのですが、花の中でどんな風に光って見えたかという大事な記憶がなぜか抜けています。ホタルブクロは漢字ではもちろん蛍袋と書きますが、もともとは火垂る(ちょうちんの意)であったようです。確かにホタルブクロは蛍のいそうな川岸には自生していないように思います。
 丈夫な草で、鉢植え・地植えともに容易で陽光を好みます。秋に種を採取してまくと翌春発芽し1~2年で開花します。
ちなみに学内には紫花の園芸品種が植わっています。

 




                                                    
球根花の花壇

花の庭

球根で植え付ける花というと、チューリップやムスカリなど春の花を思い浮かべますが、
初夏のこの時期は、大ぶりの豪華な球根花が咲きそろいます。
これらの植物は、花の美しいのはもちろんですが、葉も厚みがあってなめらかなのが魅力に思います。
草丈・葉張りともに大きく育つものが多いので日本の個人庭では数多く植えることは難しいかもしれません。ALPHAガーデンでは数種類合わせて植えてあるので大変見ごたえのある花壇となっています。
ちなみに写真中の青い花は球根ではなくで多年草のアガパンサスです。

※各植物の詳細については花名をクリックして下さい。
ユリグラジオラスカンナ



…学生として思うこと~後書きにかえて~

 
この前まで、春に鳴くハルゼミというセミが周辺の山で鳴いていましたが、ここ最近、夏一番に鳴くニイニイゼミが鳴き出しました。このニイニイゼミが鳴き出すと暑い夏はすぐそこです。

 さて、セミの話が続きますがセミはセミでもニイニイゼミではなくクマゼミです。先日ある番組の内容でクマゼミが取り上げられていました。
 内容は、東京の環境改善のため都市緑化が行われた際、九州から運んだ樹木にクマゼミの幼虫が付着しており、そのまま公園に植えたため、関東周辺には本来生息していなかったクマゼミが、都市部で爆発的に増え、元々いたセミを駆逐している可能性があるという内容でした。
 都市の環境改善のために良かれと思って行った緑化で、皮肉にも周辺の生態系を破壊してしまった一例です。これは、ここの学生にも直結する問題です。学生の多くが緑関係の業界に進むと思いますが、私達は環境改善や人々に緑の生活を提供する反面、下手をすれば地域の環境や生態系を破壊してしまう立場にいるということを忘れてはいけないと感じさせる番組でした。あの番組を自身の戒めにしたいと思います。

校舎と北米原産のアジサイ(アメリカノリノキ’アナベル)


                                                        
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