見頃の植物

マグノリア類

マグノリア
写真:マグノリア"モンジュ"



学 名:Magnolia spp.
科 名:モクレン科
原産地:アジア、北米、南米など
植栽場所:主に、一般駐車場から入る園内の道沿い




近年使われる「マグノリア」は、モクレンの仲間(モクレン科モクレン属)を意味する学名(英名)で、数々の園芸品種が導入されるにつれ、この名で呼ばれることが多くなりました。


マグノリアは、日本を含むアジアとアメリカに約90種の野生種が分布する、常緑または落葉の木本植物です。日本にはコブシやホオノキ、シデコブシ、タムシバ、オオヤマレンゲなど、観賞価値の高い野生種が分布します。また、外国産種としては、中国から渡来したシモクレン、ハクモクレン、北米原産で常緑性のタイサンボクなどがあります。


街中でもみることができる、いくつかの種の特徴を紹介しますと、
木の大きさは、コブシが8~20m、シモクレンが1.5~4m、ハクモクレンが5~15m。葉の大きさは、ハクモクレン>シモクレン>コブシ。花の色は、コブシとハクモクレンが白色、シモクレンが赤紫色。花びらの枚数は、コブシが6枚(花の下に小さな葉が1枚つく)、シモクレンとハクモクレンが9枚(花びらのようにみえるがく3枚を含む)、また、シデコブシは花びらの数がとても多い。


園芸品種として、代表的なものに、
ハクモクレンとシモクレンの交配によって作出されたサラサモクレンや'アレクサンドリナ‘などがよく栽培され、また、小型のものとしては、アメリカで育成されたガールマグノリア系統があり、’スーザン’や’ベティ’など女性の名がつけられ、剣弁で赤紫色の花を数多く咲かせます。


当校でも、ハクモクレン、コブシ、シデコブシなどの原種、サラサモクレン、ハクモクレン由来で花が大きく花びらの外側が赤紫色のマグノリア’ピッカーズ・ルビー’、ガールズマグノリア系統のマグノリア’アン’、マグノリア’ベティ’、マグノリア’バレリーナ’などがあり、他にもマグノリア’ギャラクシー’、マグノリア’エリザベス’、サラサモクレン’フクジュ’、サラサモクレン’スノーホワイト’などがあり、3月中旬から咲きはじめ、種類によって花期が異なっています。


マグノリアは、1億年以上前から地球上に存在していた、花木類の重要な先祖であり、花の構造にその名残があります。その堂々とした樹姿は、花木の王様といえるでしょう。


ここで一首
昔今 姿はそれぞれ 美しく 春を告げるは マグノリアかな(詠み手:後藤田 政春)



<参考①:葉で見わける樹木 林将之 小学館 2010年7月19日
<参考②:大人の園芸 庭木 花木 果樹 濱野周泰 小学館 2009年8月11日
<参考③:住友化学園芸 ~ガーデニング・園芸・家庭菜園・暮らしの情報サイト~ eグリーンコミュニケーション http://www.sc-engei.co.jp/plant/garden_tree/cultivate/222.html