見頃の植物

アカバメギ

アカバメギ
写真:アカバメギ



学 名:Berberis thunbergii 'Atropurpura'
科 名:メギ科メギ属
分布域:東北地方南部~九州の山地(メギ)
植栽場所:アルファガーデン入り口付近


 メギの園芸品種、赤い葉をもつシックな趣の植物です。トゲがありますが、葉・花・実を楽しめるため庭木や生垣、グランドカバーなど広く利用されています。黄色の小さな花と赤い葉との色合いが目に楽しいアカバメギ、今回は科名ならびに属名でもある「メギ」についてお話したいと思います。
 「メギ」とは、昔、葉や茎を煎じたものが点眼薬として生薬利用されていたことから由来するそうです。詳しい効能としては、静菌作用(菌の増殖を抑制して菌を減らす)、収斂作用(止血、鎮痛など)、消炎作用などがあり、下痢などの内服薬としても利用されていました。これらはメギ属植物に含まれるベルベリン(属名から命名由来)などのアルカロイドという化学成分の薬効だそうです。この成分は、メギ属植物の根元に近い部位の樹皮に最も多く含まれているそうで、生薬利用が盛んなネパールのメギ属植物に関する研究によると、ネパールでは海抜1000m前後の低地に生えているメギ属植物に、当成分が最も多く含まれていることが明らかとなっています。
 ネパール辺りを散歩していて目がゴロゴロする、お腹の調子が悪いなどの症状が見られたとき、ネパールの低地に向かってメギ属植物を探し、根元に近い部分の樹皮を剥いで煎じてみることを覚えていらっしゃれば、いつか役に立つかもしれません。

 ここで一首、

ハネムーン おめめが赤い マイダーリン  煎じて飲ませる ベルベリン(詠み手:るありむんめご)


参考文献
・毛利, 千香(2002)メギ科メギ属の組織形態並びに成分化学的多様性に関する研究
博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科 , 14 , pp.273 - 279 , 2002-09 , 金沢大学.
・林 将之(2010)小学館のフィールド・ガイドシリーズ23 葉で見分ける樹木 増補改訂版,株式会社 小学館,p.129.