見頃の植物

チガヤ

写真:チガヤ



学 名:Imperata cylindrica var. koenigii
科 名:イネ科
原産地:日本
植栽場所:噴水周辺など



 日当たりの良い草地や土手に生える多年草です。地下茎を出して広がるのでよく群生しています。この植物の特徴はなんと言っても、この動物のしっぽのような花穂でしょう。 白銀というか銅色というか、実に良い色をしています。穂が完全に開く前の、艶がある花穂が最高にきれいです。若い花穂は「つばな」と呼ばれ、甘みがあって食べられるそうです。 万葉集にも歌われているとか。

 チガヤの花がたくさん集まって風に揺れている光景は、5月~6月の風物詩だと個人的には思っています。都市の中でも、中央分離帯などに群生していることがあり、一度見たら忘れられません。

かつて水田の畦畔は、このチガヤが優占する中に様々な草原生の植物が生育する「チガヤ草原」として成立していました。現在は圃場整備などで畦畔のチガヤ草原は急速に見られなくなっていますが、 ここALPHAの周辺にはまだ多くのチガヤ草原の畦畔が残されています。本校の「里地里山の保全管理演習」では、このチガヤ草原の再生・保全手法の構築を目指し、様々な取り組みを行っております。 ALPHAガーデンにお越しの際は是非、お近くのチガヤ草原を見に行って下さい。そしてその中に生えている野草の花を愛でてみて下さい。

巷では「厄介な雑草」として見られることも多く、除草剤で全滅させられることも多々あるようですが、個人的には悲しいですねぇ。


それではここで一首
春終わり 風に揺れるはしっぽかな 違うよあれはチガヤだよ (詠み手:ムッシュ・ムラムラ)


<参考①:長田武正 (1993) 増補日本イネ科植物図譜, pp.688-689, 平凡社.>
<参考②:木場英久・茨木靖・勝山輝男(2011) イネ科ハンドブック, p.125, 文一総合出版.>
<参考③:鈴木庸夫・高橋冬 (2011) 散歩で見かける草花・雑草図鑑, p.149, 創英社/三省堂書店.>