見頃の植物

ネコヤナギ S. gracilistyla

ネコヤナギ</dt
写真:フリソデヤナギ



学 名:Salix gracilistyla
科 名:ヤナギ科
原産地:日本
植栽場所:園芸療法ガーデン


 ネコヤナギは、カワヤナギという別名から分かるように、特に水辺を好んで生育し、その根元は水に浸かった状態になることもあるそうです。近年では河川敷工事が進んだことで自然の中で見る機会が徐々に減ってしまい…寂しく思います。

 綿毛に包まれた可愛らしい花穂は、そっと触るとしっとりと柔らかく、子猫の毛並みのような優しい手触りです。このように猫の尾に姿が似ていることより、ネコヤナギという名が付いたと言われています。ネコヤナギの実は緑色をしており、夏の初めになるとその実が熟し割れ、中から白い綿毛のついた種がたくさん出てきます。ALPHAではネコヤナギとバッコヤナギの種間交雑種であるフリソデヤナギ(Salix × leucopithecia)が見られます。ふわふわとした種が風に乗る姿も初夏のALPHAで是非ご覧になってください。

 自由自在に曲がるしなやかな枝、ふわふわと旅立つ種、そしてネコという名の奔放さ、そんなネコヤナギの花言葉は、”自由”。芽吹くことから縁起が良いとされていますが、この自由な印象もあって古くから好まれているのではないでしょうか。


 それでは、最後に一句…
銀色の やわらかな毛を 身にまとい 早春をささやくネコヤナギ  (詠み手:山鹿春子)


<参考①:山渓カラー名鑑 日本の樹木. p.88. 1985年(山と渓谷社)>  
<参考②:平野弘二. 検索入門 冬の樹木. P.141. 1989年 (保育社)>  
<参考③:馬場多久男. 冬の落葉樹図鑑. p.210. 1981年(信濃毎日新聞社)>  
<参考④:ヤサシイエンゲイ. http://www.yasashi.info/ne_00008.htm>