見頃の植物

アサガオ

写真:アサガオ



 学 名:Ipomoea nil
 科 名:ヒルガオ科
 原種:熱帯アジア、ヒマラヤ山麓地帯
 植栽場所:園芸療法ガーデン


 夏休み前になると、アサガオの鉢植えを抱えたこどもとお母さんの姿を見かけます。
夏休みに入る前にタネを植えて、少し大きくなったアサガオを家に持って帰って観察日記をつける。 小学生の頃ほとんどの人が夏休みの宿題として取り組んだことがあるのではないでしょうか。 夏休みが終わる数日前に、忘れていた観察日記をまとめて仕上げた思い出も、アサガオとともに思い出される記憶のひとつです。

 アサガオは英語で、’morning glory’と呼ばれます。
これは、朝早いうちに花が咲き、午後には閉じてしまうからです。 このように、アサガオの花は朝早く咲くことで知られていますが、いったい何時頃から咲き始めるのでしょうか。 早いものだと午前2時すぎ頃から咲き始め、遅いものでも4時か5時頃までにはほとんど咲きそろうとも言われています。 アサガオの花の早起きを見習いたいものです。 また、アサガオは、日の長さがある一定以下の時間にならないと、花を咲かせない短日植物の一つとしても知られています。

 アサガオのつるは左巻きで、下から見上げれば時計回りに、上から見下ろせばその反対回りで支柱に巻き付いています。 例えばアサガオの他に、クズやインゲンマメなども左巻きだそうです。これとは反対に、フジやスイカズラなどは右巻きの性質を持っています。
しかし、いま紹介したつるの巻き方は、私たち人間が外から客観的に見た場合の巻き方であって、 アサガオやクズ、フジの身になって一緒に成長することを想像するとつるの巻き方は、まるで正反対になります。 つまり、アサガオやクズは右巻き、フジやスイカズラは左巻きにつるを伸ばして成長していることになります。
 この性質は、気温や光の程度に関わりなく決まっているそうです。 しかし、なぜアサガオやクズは左巻きで、フジやスイカズラは右巻きなのか、理由はわかっていないそうです。

 私もこの夏、小学生の頃を思い出しながら、アサガオのつるの巻き方を観察してみようかなと思います。 もしも早起きができれば、アサガオの咲く瞬間も一度見てみたいものです。


 では、アサガオで一句
朝顔の 花ちりばめた 浴衣着て 夏祭りへ 胸ときめかす   (詠み手:津森 碧)


<参考文献① アサガオ ガーデンシリーズ.p.42.1997年(誠文堂新光社>  
<参考文献② 花の名物語100.p.8.1999年(大修館書店)>  
<参考文献③ 花を贈る事典366日.p.234.1998年(講談社)>