見頃の植物

アイダクグ

写真:アイダクグ



学 名:Cyperus brevifolius var. brevifolius
科 名:カヤツリグサ科
分 布:日本全土、朝鮮、中国など
生育地:日本庭園の芝生と池の境目



 アイダクグはカヤツリグサ科の多年草で、道端や田の畦などの、少し湿った場所に生育します。
 地下茎を伸ばしてどんどん広がる上に、再生力が高いので一度生えると根絶は難しく、ゴルフ場などで特に問題視されているようです。 そんな、嫌われ者としての一面を持つアイダクグですが、この丸っこい花は可愛らしくて好きです。カヤツリグサ科の花は花弁などを持たず、 色も葉や茎とあまり変わらないことが多く、得てして地味です。ですが、花の形はとても面白いと思います。地味なイネ科やイグサ科、カヤツリグサ科などの花を、 一度じっくり見てみるのも良いのではないでしょうか?

 またこのアイダクグは、葉などを少しちぎって揉むと、甘い柑橘類のような、とても良い香りがします。私はこの香りが大好きで、ヒメクグなどを見かけると必ず少し葉を頂いて匂いを嗅いでいます。 「ファ○リーズ ヒメクグの香り」とかあれば売れるんじゃないでしょうか、少なくとも私は買うんですがねぇ。

 ところでこのアイダクグ、実は「ヒメクグ」というそっくりさんがいます。アイダクグの小穂の縁にはトゲがあるのでしすが、ヒメクグにはありません。 ここで見分けることができますが、後の部分はかなり似ています。
一般的にはヒメクグの方がメジャーに扱われていますが、身の回りには(特に都市部では)アイダクグの方が多く感じます。 個人的な感覚では、ヒメクグよりアイダクグの方が、道端や公園などのより攪乱の多い場所に生えている気がします。



 最後に一首・・・
アイダクグ トゲが付いてて 世紀末 荒れた環境 より強め?(詠み手::ムッシュ・ムラムラ)


<参考①:廣田伸七 編著 (2000) ミニ雑草図鑑, 全国農村教育協会, 123p.>
<参考②:勝山輝男・北川淑子 (2014) カヤツリグサ科ハンドブック, 文一総合出版, 65p.>