見頃の植物

エノキ

写真:エノキ



 学 名:Celtis sinensis
 科 名:アサ科
 原産地:日本、朝鮮半島、台湾、中国南部、ベトナム
 植栽場所:一般駐車場付近の横断歩道街路樹


 エノキの樹形は、枝張りが低い位置から始まり、横に広がっていることから、ずっしりとした印象を受けました。樹高は25mにもなることがあり、存在感があります。葉は分厚く、落葉ですが常緑のような厚みを感じました。葉脈もはっきりしていて美しいので、ぜひ観察してみてください。
 今は、赤や黄色のかわいい実がちょうどなっています。この実は、生で食べても甘いです。私は柿のような味だと思いました。皆さんはいかがしょうか。野鳥もこの実を好むので、こっそり待っていたら野鳥も観察できるかもしれませんね。
 エノキは、国蝶であるオオムラサキの幼虫の餌となる樹木です。山では見たことがあるのですが、アルファで私は見たことがありません。ぜひ見てみたいものです。生き物との繋がりも考慮しながら樹木を観察すると、さらに興味がわくきっかけになりそうです。
 名前の由来は、材として「柄の木」、木の実として「餌の木」などと言われています。



 それではここで、エノキについて一首
丸い実は 一足先に 秋仕立て そろそろ葉にも 紡ぐ秋糸(読み手:緑川 直美)


<参考① 濱野 周泰.原寸図鑑葉っぱでおぼえる樹木.p91.2008年(柏書房株式会社)>  
<参考② 林 将之.葉で見分ける樹木 増補改訂版p.48-49.2010年(株式会社 小学館)>  
<参考③ 矢口行雄.増補改訂 樹木医が教える緑化樹木辞典.P220-224.2013年 (誠文堂新光社)>