見頃の植物

キショウブ

キショウブ
学 名:Iris pseudacorus L.
科 名:アヤメ科
原産地:ヨーロッパ(地中海沿岸)
植栽場所:風の庭の水辺、日本庭園
花の時期:5~6月
今月の様子:開花

特徴
 抽水性の宿根草(多年生)です。大きさは0.5~1.5mで、茎が3分枝して花を8輪以上付けます。  黄色い花びらが特徴で、外側の大きな花びらは広卵形で下垂し基部に茶色い網目模様が入っています。 中心部には小さな花びらが3枚観察できます。葉は線形で根元から2列出て、真ん中に盛り上がった太い線(中央脈)が目立ちます。水辺や湿地で見かけることが多いですが、乾燥や直射日光にも比較的強いとされています。また、花の中には、稀にやや背丈が低く黄色の濃いものや乳白色のものもあるそうです。  これから咲き始めるキャンパス内のキショウブの中にも現れるかどうか楽しみです。



豆知識【要注意外来生物としてリストアップされています】
 明治時代に鑑賞用として導入されたといわれ、現在は帰化植物として全国に分布しています。  繁殖力の強い外来種が野生化すると、本来の生態系へ遺伝的攪乱などの影響を与えることから、環境省ではキショウブを「要注意外来生物」に指定しています。また、兵庫県では県下全域で分布が観測されていることからブラックリストに挙げています。  繁殖力が強く分布の拡大を防ぐために指定されていますが、もともとは人の手に寄って持ち込まれた植物。この時期に美しい花をつけ親しみやすいことから生態系への影響に危機感を抱きにくいのではないでしょうか。難しい問題だと思います。


<参考①:山と渓谷社. 山渓カラー名鑑 園芸植物. p.538.1998>  
<参考②:講談社.園芸大百科事典フルール 第3巻-春の花Ⅱ-.P.89. 1980>  
<参考③:そらいろネット 身近な植物図鑑>  
<参考④:みんなの花図鑑>  
<参考⑤: 生物多様性悪影響を及ぼす外来生物への対応-兵庫県>  
<参考⑥:参考⑥ 要注意外来生物リスト(植物)-環境省>  


キショウブ
(撮影日:5月15日)