見頃の植物

クロガネモチ

クロガネモチ
学 名:Ilex rotunda
科 名:モチノキ科
原産地:日本、台湾、朝鮮半島南部、中国中南部
植栽場所:図書資料棟向かい(花の庭ソメイヨシノ前の階段を登って左手)、キャンパス東端市道付近ほか)
花の時期:(5,)6~7月
果熟期:10~12月


特徴
 暖地の山野に生える雌雄異株の常緑樹です。樹高は普通3~10mで、大きいものは東海地方以西に多く、30mを超えるものもあります。 葉は互生し、革質で、表面は光沢があります。長さ5~8cmの楕円形または広楕円形の全縁で、葉の縁が内側に反る傾向があり、笹舟型になるのも特徴です。
 5~6月、葉腋に直径約4mmの淡紫白色の花を咲かせます。果実は直径5~8mmの楕円状球形で、光沢が強く、 初冬にかけて赤色に熟し、小鳥が好んでついばみにきます。果実の色や葉柄の色、樹形など多くの変異があるそうです。
 庭や公園や街路樹としてよく植栽され、材はそろばんの玉などに利用されます。


豆知識 【 近年のクロガネモチ事情 】
 クロガネモチは雌雄異株ですが、周辺に雄木がなくともよく結実します。赤い果実がたわわにつき、葉の緑と赤い実のコントラストが美しい雌木の方が好まれることから、 市場に出回っているのは雌木を接ぎ木したものが多いようです。そのため、都市では雌雄のバランスが著しくおかしくなっているそうです。
 また、通常クロガネモチは春に落葉し同時に新葉を展開する常緑樹ですが、街路樹のクロガネモチのなかには、生育環境のストレスのためか、 果実のみ残して、3~4ヶ月早く落葉樹のように冬に葉を落としてしまうものがあるそうです。
 緑化樹木は人間が植栽するものなので、植栽される樹木にとってもより良い条件で植栽することが大切だと思います。 周りのクロガネモチが雄木なのか雌木なのか、どんな様子かぜひ観察してみてください。



<参考①:林弥栄. 山渓カラー名鑑 日本の樹木. p.409. 1983年(株式会社 明光社)>  
<参考②:佐竹義輔,原寛,垣理俊次,冨成忠夫. 日本の野生植物 木本Ⅱ. p.29. 1989年(平凡社)>  
<参考③:岩崎哲也. 都市の樹木433 .p.243. 2012年 (文一総合出版)>  
<参考④:矢口行雄. 樹木医が教える緑化樹木事典 病気・虫害・管理のコツがすぐわかる!. p.64-65. 2009年 (株式会社 誠文堂新光社)>  
<参考⑤:平畑政幸. 明石公園 花と樹のウォッチング. p.191-192. 2002年(神戸新聞総合出版センター)>  

クロガネモチ
(撮影日:10月26日)