見頃の植物

アカバナセイヨウノコギリソウ

アカバナセイヨウノコギリソウ



学 名:Achillea millefolium cv.
科 名:キク科
原産地:ヨーロッパ
植栽場所:エルフガーデン 横



 細い茎がスッと伸びたその先に小さな赤い花がたくさんついてます。
 草丈は60cm~1mほどあり、ノコギリソウという名前のごとく、細い葉の縁が細かくギザギザとした切れこみが入り、のこぎりの刃のような形をしています。
触ってみると、あまり痛くは感じないのですが、チクッとした触感があったので、よく見てみるとギザギザした葉や茎に細かな毛が密集しており、花の付近までフサフサとした毛がはえていています。
のこぎり型の葉とフサフサの毛・・・なんだか強そうな花です。

 花の部分は茎が4~5本にわかれその先に1cmにも満たないのほどの小さな花が集まって咲いています。
キク科の花は数個から数百個の小花が集まって1つの花の姿を作りだす、頭状花序と呼ばれる花の構造をしています。
よーーーく見てみると、この小さな花のひとつひとつも同じつくりであることが確認できます。赤い舌状花を周囲に6~7枚つけ、中央部分に管状花が多数、顔を出しています。
同じキク科の植物ヒマワリも、周辺の黄色い花びら部分が舌状花、中央の黒い部分は筒状花となっており、同じ構造をしています。
イメージとしては、サイズは違いますが、ヒマワリが多数集まって咲いている・・・そんな高度なつくりを持っている花なのです!

 開花時期は6~9月で、冬期は地上部が枯れ地下茎で過ごす宿根草の植物です。日当たりがよく水はけのよい場所を好みます。
 ノコギリソウの仲間は北半球に約200種存在するといわれており、そのうち数種類は日本でも自生しています。
耐寒性のあるものが多く、花壇での利用や切り花で楽しむことに加え、ハーブとして薬や食用に利用される種もあるそうです。


アカバナセイヨウノコギリソウ  こんなところで大活躍!

 属名のアキレーアは古代ギリシアの英雄アキレウスにちなみ
名づけられたとされ、これはアキレウスが戦争で、兵士の傷を
この植物の薬効で治したということに由来するそうです。
 さらにセイヨウノコギリソウは、殺菌効果に優れたアルカロイド
を含み、傷薬や強壮薬に用いられていたり、今回紹介したような
紅色のものは止血剤になるとされていたそうです。
古くから人々の傷を癒してきた・・・歴史ある花なんですね。

<参考①:趣味の家庭園芸2 草花Ⅱ(宿根草) p142 趣味と生活>
<参考②:園芸大百科事典 p77 講談社>
<参考③:山渓カラー名鑑 園芸植物 p98-99 株式会社 山と渓谷社>
<参考④:ノコギリソウとは ヤサシイエンゲイ http://www.yasashi.info/no_00001.htm>