ALPHA
Garden
見頃の植物     
(2005.12.12)

赤い頬と白い息

開校以来こんなに秋が美しかったことはなかったように思います。台風が直撃しなかったことや、雨がよく降ったことで山の木々が葉を多くつけたまま寒さを迎え、美しく色づきました。バベ(ウバメガシ)をはじめとする常緑樹の多い淡路の山ですが、それらの深い緑がヤマハゼや、ウルシの赤、クサギの黄緑、クヌギのオレンジなどを引き立て、淡路独自の渋い秋を演出するのです。
 そんな山々がいくらか色あせてきた12月、寒さが日増しに厳しくなり、外を歩くと全身の筋肉に力が入ります。葉を落とした木の枝先にも、同じようにきゅっと身を固くして、春を待つ蕾が付いています。この季節は確かにどんどん花は少なくなりますが、木々のつぼみや、枯れ葉のつもる地面の間から顔をだしている芽を見ながら、春のにぎわいを想像するのもなかなか乙な楽しみ方だと思いませんか?

マーガレット
学名:Argyranthemum frutescens cv.
科名: キク科
植栽場所: 花の庭

数年前からこの場所にいるピンクの花のマーガレット。開花期は春から初夏というイメージですが、この株は毎年12月から1月ぐらいが花盛りで、他の季節はなりを潜めています。寒さに弱いくせに、こんな時期に咲くので、なんだかいたたまれない気持ちになります。
マホニア・メディア’チャリティー’ 
(セイヨウヒイラギナンテン)

学名:Mahonia x media 'Charity'
科名:メギ科

植栽場所:正面玄関付近

ヒイラギ(モクセイ科)にあらず、ナンテンにあらず、セイヨウヒイラギ(モチノキ科)でもないなんともややこしいネーミングですが、冬になると上に向かって伸びる花穂はインディアンの羽根飾りのようです。
コプロスマ’イブニング・グロー’ (夕焼け小焼け)
学名:Coprosma 'Evening glow'
科名:アカネ科  
植栽場所:銅葉コーナー

ニュージーランド原産の常緑低木です。常緑といってもこちらは鮮やかな夕焼け色。同じ属でもさまざまなカラーバリエーションがあるようです。ALPHAガーデンの冬を越せるようなら、もっと増やしてみたい植物です。
ピラカンサ
学名:Pyracantha cv.
科名:バラ科    
植栽場所:エントランススロープ谷側

棘が鋭く、扱いがやっかいなピラカンサも、この季節になると強い存在感を発揮します。目にも鮮やかな赤やオレンジの実は鳥たちの大好物。人間にとってもおいしい実ならどんなにうれしいことか。
   
おまけ
エラエアグナス・エビンゲイ ’ギルトエッジ’
学名:Elaeagnus ×ebbingei 'Gilt Edge'
科名:グミ科  
植栽場所:エントランススロープ谷側

黄色の斑と、濃いグリーンの対比がとても鮮やかな常緑低木。グミの仲間です。年中こんな色ですが、寒さが増すといっそうくっきりとしてきます。お花の少ない季節にこうしたカラーリーフは少々くすんでしまった庭の一角を空間をぱっと明るくするので、おすすめです。丈夫で、育てやすい品種です。
少し季節がはずれましたが。。。
ALPHA版 Before & After
 専門課程の学生は2年間という限られた時間に、非常に広範囲な分野をマスターすべく、日々学んでおりますが、その一つに「日本庭園施工演習」というのがあります。外部講師の井上先生に京都よりお越しいただき、毎年学内の一部を改修するのが恒例となっていますが、今年の学生(6期生)は学生レジデンスのエントランス部分を対象地に選びました。大胆なデザイン案は議論を呼びましたが、わずか4日間の施工期間、15名の学生がそれぞれ一生懸命に作業して、見事な庭に変身しました。
Before... 問題を抱えた庭は、レジデンスの入口両側の花壇です。左手に大きなフサアカシアの木が植えられていましたが、強風に弱く、何度か倒されるうちになくなりました。コニファーと西洋シャクナゲがかろうじて生きながらえている足元をフッキソウやヘリクリサムなどが覆っていました。とても寂しくて、荒れた雰囲気の玄関でした。
After!!!  「なんということでしょう!」花壇はただの花壇ではなくなりました。玄関の両側にカエデが枝を広げ、とても優雅で柔らかい空間ができました。洋風の外観のレジデンスとも調和し、とってつけたような異質な印象はありません。表もさることながら、建物の中からガラス越しに見える緑の枝葉はとてもさわやかな印象です。花壇の枠をはみ出た植栽については、施工前に排水の問題などが懸念されていましたが、美しく施工され、当初の心配はうそのようです。樹木が活着するまでは管理が大変ですが、この場所については学生さんが主体となって管理をしています。
学生達を指導しながらここまでの完成レベルに導いた井上先生にはあっぱれですが、庭の完成度以上にこの数日間に学生達一人ひとりが学んだことの多さを思うと感慨深いものがあります。
 この小さな庭は春にはどんな姿になるでしょう。見学をご希望の方は事務室までご連絡下さい。

 木枯らし1号が吹き荒れた日、学生達がセンペルセコイアに登って、クリスマスのライトをつけました。少々いびつではありますが、ライトアップされた木をみると何か心温まるものを感じます。正面玄関にもデコレートされたモミの木が登場して、華やぎました。

ピンぼけでごめんなさい。

2005年はいかがでしたか?いい年だったという方、ぱっとしなかったという方、
楽しいことや、悲しいこと、いろいろあった1年がまた終わろうとしています。

平和で、緑あふれる、すばらしい新年が皆様に訪れますように。
Happy New Year!


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