見頃の植物

ピラカンサ類

ピラカンサ</dt
写真:ピラカンサ類(トキワサンザシ系)



 学 名:Pyracantha spp
 科 名:バラ科
 原産地:ヨーロッパ東南部~アジア
 植栽場所:玄関への車の出入り口付近など


 はじめに、ピラカンサとは、バラ科トキワサンザシ属の種類の総称で、多く栽培されているカザンデマリ(カンデマリ)、タチバナモドキ、トキワサンザシの3種をピラカンサと呼んでいます。
 それぞれを少し紹介しますと、  カザンデマリ(カンデマリ):ヒマラヤ原産。赤い果実。葉にふつう鋸歯はない。 タチバナモドキ:中国原産。橙色の果実。葉に鋸歯があり、他の2種より長く大きい。 トキワサンザシ:西アジア原産。赤い果実。葉はカザンデマリより短くて幅広い。
 両者間の雑種も多くあり、区別は難しいなあという印象です。

 常緑低木のピラカンサは、細長い葉が短い枝に束になってつくことが特徴で、その短い枝の先はトゲ状になることも多いです。この季節に橙色~赤色の果実を枝いっぱいにつける姿がよく立ち、葉の緑色とのコントラストがとても美しいです。花は白く、5~6月に咲かせます。

 庭木として多く利用することのできるピラカンサは、萌芽力が強く、生け垣やトピアリーといったものとして樹形を整えやすい一方、放っておくと樹形が暴れてくることもあります。また、強剪定、頻繁すぎる剪定、冬季の剪定などで花がつかなくなることもあるので、実を楽しみたい方は注意しましょう。


ここで一首、
ピラカンサ 庭木生け垣 トピアリー   赤実鮮やか 寒空の下   (詠み手:後藤田 政春)


庭の便利屋を、あなたの好みに育ててみてください。

 簡単にはなりますが、一年間ありがとうございました。  今後は、後輩たちの「見頃の植物」にご期待ください!

<参考①:葉で見わける樹木 増補改訂版 林将之 小学館 2010年7月19日>  
<参考②:園芸植物 庭の花 万有ガイド・シリーズ21 相賀徹夫 小学館 1984年3月20日>  
<参考③:NHK趣味の園芸 花つきをよくする 花木100種の剪定 妻鹿加年雄 日本放送出版協会 1994年2月20日>  
<参考④:ヤサシイエンゲイ http://www.yasashi.info/hi_00010.htm>