見頃の植物

シオン

シオン
学 名:Aster tataricus
科 名:キク科
原産地:アジア東北部・日本
植栽場所:展示見本園
花の時期:9~10月

特徴
  草丈が2mにも達する大型の多年草。茎は、まっすぐに立ち、上部で枝分かれして、
その先に淡紫色の頭状花を咲かせます。葉は大きく縁に鋸歯があり、表面はざらざらしていて、
まるで紙やすりのようです。茎もざらざらしています。
この草は、あの有名な「源氏物語」にも登場することから、古来より愛でられてきた野草の1つでもあります。
ただ、個体数が激減しているために、絶滅危惧種にも指定されています。大切に守っていきたい草の1つです。


豆知識 【シオンの「シ」は?】
 シオンの「シ」を漢字で表記すると「紫」になります。
 なぜ、シオンの「シ」は「紫」なのでしょうか?
それは、根が紫色をおびているからです。根は煎じて漢方薬として使用されています。
また本種は、古くは、歌人たちによって「しおに」とも呼ばれていたようです。
ここで、和歌を一首ご紹介しましょう。
「高茎の紫苑に竹を結び添えぬ 空の照り降り秋づきぬれば」(今井邦子)



<参考①:居初庫太. カラー版花の歳時記. p.326-p.327. 1986年 (淡交社)>
<参考②:荒垣秀雄・飯田龍太・池坊専水・西山京之助.四季花ごよみ座右版. p.634-p.635. 1994年(講談社)>
<参考③:木村陽二郎. 図説花と樹の大事典. p.209. 1996年(柏書房株式会社)>   

シオン
(撮影日:9月26日)