見頃の植物

センダン

センダン</dt
写真:センダン



 学 名:Melia azedarach
 科 名:センダン科
 原産地:日本 中国 西アジア 
 植栽場所:エントランスゾーン


 樹高15m前後の高木で、2回羽状複葉の樹木です。5~6月に白と紫の小花をつけ、秋~春まで薄黄色の果実を見ることができます。1年のうち、長い期間楽しむことができます。  

 大きな黄色い実がたくさんなっており、一際目をひきました。落葉して寂しさを感じる冬の雰囲気を拭うような明るさを感じました。まるで花火が打ち上がったようなにぎやかさに、思わず見とれてしまいます。


 センダンの由来は、千珠(せんだま)からきているのではないかと言われています。 滋賀県大津の園城寺で千団子祭りまたの名を千団子参りというものがあります。祭っている神は、千人の子を持つという鬼子母神です。小児の健康、厄除け、安産などを祈願する人々が千個の団子(千団子)を供えています。 無数の珠を連ねたようなセンダンの実を千団子に見たてて、センダンになったのではないかという説があります。
 5~6月には、淡い藤色の花をつけ、昔はこの花を好んで人々は観賞していたようです。ぜひ、初夏にもこの木をご覧下さい。

 オウチ(センダン)の木に罪人の首をさらしていたことが知られています。 これは、唐の時代オウチに悪疫や邪気を払う霊力があると信じられており、日本でも端午の節句にオウチの葉を腰に巻いたり、菖蒲のように軒に挿していました。このことから、罪人の汚れを払い除くために、この木を獄門に使ったのではないかと言われています。獄門の木と思うと、少し気が引けますが、邪気を払う霊力があると信じられている木であるならば、気持ちは変わりますよね。

 それでは、恥ずかしながらセンダンについてここで一句
見上げれば たわわに実る 黄色い実   冬の楽しみ できた瞬間   (詠み手:御手洗 みよ)


<参考①:足田 輝一.植物ことわざ事典 p.290-293.1997年(株式会社 東京堂出版)>  
<参考②:林 将之.葉で見分ける樹木 増補改訂版.p.236.2010年(株式会社 小学館)>  
<参考②:深津 正.植物和名の語源 p.88-92.1989年(株式会社 八坂書房)>