見頃の植物

ツバキ類

カンツバキ
写真:カンツバキ



 学 名:Camellia cvs.
 科 名:ツバキ科
 原産地:日本 東アジア
 植栽場所:ヤブツバキ(事務棟側駐車場)、カンツバキ(キッチンガーデン側生垣)、サザンカ(事務棟・四季の庭間通路)


 冷たい風に吹かれながらも咲く姿に妖艶な魅力があります。色鮮やかな花が贅沢に咲き乱れ、冬の花木の寂しいイメージを一変し、春には彩を添えます。


 ツバキの由来としては朝鮮語のTon-baik(冬柏)が転じたと言われています。その他に、葉が厚いので厚葉木(あつば木)、葉に光沢があるので艶葉木(つやばき)、強葉木(つよばき)の転じたもの、とも言われています。


ツバキ類3種  アルファでは3種類のツバキ類を見ることができます。サザンカ(早冬)・カンツバキ(冬)・ヤブツバキ(早春)の順で花期が訪れ、同順で花も大きくなりヤブツバキ(別名ヤマツバキ)が一番大きな花を咲かせます。サザンカとカンツバキの葉は非常に似ていますが、サザンカの葉は縦に反っているのに対し、カンツバキには反りがありません。ツバキの葉は光沢が強く尾状に先が短くとがっているのが大きな特徴です。また、カンツバキはヤブツバキとサザンカの交雑種とも言われており、二つの特徴を合わせた性質を持っています。



 ツバキは景行12年(82年)の日本書紀に武器として記されているのが最古の記録になっています。その後、頭髪用ツバキ油を主とし、灯用、食用、化粧用、薬用などに使われ、平安時代には山陽・山陰・九州などの各地から中央に貢献されてきたそうです。このことより、日本には古くからツバキが多く自生していたことが分かります。


 読んで頂きありがとうございました。最後に一句…
ヤマツバキ 落ちゆく音に 立ち止まる 俯くのでも 散るのでもなく   (詠み手:小澄淳子)


<参考①:高橋秀男・勝山輝男, 山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花②. p.170. 2000年(山と渓谷社)>  
<参考②:花と樹木ものしり百科. P.54-55. 1995年 (新人物往来社)>  
<参考③:四季の花色大図鑑. p.80. 2010年(講談社)>  
<参考④:深津正・小林義雄.木の名の由来. p.83-86. 1985年(太平社)>  
<参考⑤:岩崎哲也.都市の樹木433. p.134,137,139. 2012年(文一総合出版)>