見頃の植物

イヌマキの実

イヌマキの実’



学 名:Podocarpus macrophyllus
科 名: マキ科
原産地:日本(関東南部以西)
植栽場所:分区園下





 庭木や生垣、街路、どこかでは見かけたことあるイヌマキ。今の時期は、ダルマのような可愛らしい「果托」と「果実(種子)」の姿を見ることができます。

 「赤い果実だ!!」と思ってしまうものは「果托」と言います。「果托」とは、萼や花冠などがついている茎の先端部分である「花托(花床)」が熟したものです。この赤い果托は食べることができます。味は、酸味のないサクランボだとか、お菓子のようだとか…私は酸っぱくないスモモの味がすると思いました。

 赤い果托の上には青緑色の丸い個体がついています。こちらが果実(種子)なのですが、これはうっかり食べないで下さいね!有毒と言われており、食べることはできません。
 美味しくて綺麗な赤色の果托に、有毒で地味な果実がくっついているなんて、驚きです。果托の力で鳥を呼び寄せているのでしょうか?ちなみに、イヌマキの学名のPodocarpusは、ギリシャ語の「pods(足)」+「carpos(果)」が語源だそうです。種子の付け根の部分がふくらむことからで、まさにその通りですね!

 果托は熟すと綺麗な赤色からくすんだ紫色に変わっていきます。ALPHAでも、一般駐車場の生垣にされているイヌマキには、もう赤い果托を見つけることはできませんでした。分区園の下にあるイヌマキ群には、まだ見ることができます。果実がついていないイヌマキも多く、これは雌雄異株のためです。

 果托は柔らかいですが、果実は皮が固くてしっかり。種子はどれくらい詰まっているのかな?と思って皮をむけば、すぐ種子が顔を出し、一個しか入っていませんでした。
 この種子は樹上にあるときから根を出すことがあるようです。今回は見つけることが出来ませんでしたが、これも面白い姿でしょうね!



イヌマキの実  こんなところで大活躍!

 秋の実と言えばドングリが人気ですが、このイヌマキの実も集めてちょっとした飾りやアートになりそうです。顔を描けば人形のようで、子どもも喜びそう!街中のイヌマキに注目して実を探してみてはいかがでしょうか。



参考①:岩崎哲也『都市の樹木433』総合出版、2012年4月
参考②:大場秀章・清水晶子『絵で分かる植物の世界』講談社、2004年10月
参考③:季節の花300「犬槙」<http://www.hana300.com/inumak.html>