高校生を対象とした園芸療法入門講座を開催しました

平成30年2月2日(金)に、淡路景観園芸学校にて、県立淡路高等学校 花と緑と海のめぐみ系列2年生20名が「園芸療法入門講座」を受講しました。この講座は、島内の若い世代に園芸療法を伝えようとの考えから、園芸療法課程の全寮制学生と修了生である園芸療法士が講師となって毎年行われています。

今年は、「淡路島の将来を担う高校生が、体験を通して、自然や植物が人の健康に与える効果や園芸療法の基礎について学ぶ」というねらいでプログラムを実施しました。参加した生徒たちの感想をご紹介します。

高校から淡路景観園芸学校にバスで到着した生徒たちは、最初に、冬のアルファガーデン散策にでかけました。アルファガーデンというのは本校の英名の頭文字(ALPHA)を取った庭の名前です。

生徒の感想:

「自然豊かな景色を見ることができ、その景色ごとにいろいろな工夫がされており、得られる効果が違うなど見学をしながらたくさんのことを学ぶことができた」

「どこに行っても何か香りがして、春にきたらもっとお花の香りがしていいだろうなと思った。また春にたくさんのお花を見にきたい」

 

次に教室に入り、生徒各々が散策中に採取したハーブを使って手浴をしました。

生徒の感想:

「手を入れただけなのに体があたたかくなった。ハーブ手浴は初めてだったが、匂いをかいでいると心が落ち着く気がした」

 

散策、ハーブ手浴を体験した生徒達は、園芸療法課程学生による「園芸療法とは?」の講義を受けました。講義では、「植物のある環境に身を置くのも園芸療法、植物を使って五感(視覚・嗅覚・触覚・聴覚・味覚)からの刺激に気づかせるのも園芸療法。もちろん、花や野菜の栽培や草花を使った創造活動が園芸療法のメインとなります。そして最後に、対象者と植物をつなぐ専門家として園芸療法士が入ることで効果が上がる」といった説明がありました。ちなみに、淡路島内の病院でも2名が常勤の園芸療法士として働いています。

生徒の感想:

「園芸療法についてほぼ何も知らなかったけれど、思ったよりも身近でできることばかりでとても勉強になった」

「園芸療法は高齢者や体の不自由な人だけでなく、健康な人にも効果があるのだと思った」

 

最後は、消臭効果のあるハーブソルト作りでした。塩に乾燥したローズマリーの粉末を混ぜ、香りや色、そして感触の変化を楽しみました。

生徒の感想:

「家に帰って早速いらないビンに入れて玄関に置こうと思いました」

 

全体を通しての感想:

「僕らは、常に植物とふれあっているので、今回こういった機会があり、また一つ植物の活用方法などを知ったことがとてもよかった。僕らが何気なく行っている栽培などが、障がいがある人たちからすれば療法になるということも知った」

「今日の経験を活かして園芸療法についてこれからも理解していきたいと思います」

講座終了直後、園芸療法課程の学生や修了生の園芸療法士は、お互いが担当したプログラムについて振り返りました。彼女たちは、プログラムに対して真剣に取り組み、植物採取ではハーブを大切に採取し、講座の最後に素直な感想を述べる高校生たちの姿に達成感を得たようです。そして、伝えたことを高校生が理解してくれたことの喜びを感じる一方、園芸療法を理解していないと園芸療法について伝えることが難しいことも実感しました。 

また、高校生のことを理解していればもっとわかりやすい説明ができた、もう一度機会があれば高校生に合った教え方ができる、と園芸療法の基礎である“対象者を理解すること”の大切さを改めて認識したようです。本講座を開催し、淡路高校の生徒たちの姿を通して、大きな学びを得ました。

全寮制学生は、この3月に園芸療法課程を修了する予定です。園芸療法の実践を重ね、園芸療法について、より幅広く、深く考えながら園芸療法を実践・普及して活躍していくことを望みます。

(文責 金子)

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