園芸療法課程全寮制学生が園芸療法入門講座(高校生対象)を開催しました。

 平成31年1月30日(水)に、淡路景観園芸学校にて、県立淡路高等学校 花と緑と海のめぐみ系列2年生22名が「園芸療法入門講座」を受講しました。この講座は、島内の若い世代に園芸療法を伝えようとの考えから、園芸療法課程の全寮制学生が講師となり毎年実施しています。

 今年のテーマは、「植物に興味を持ち、植物の力を知ろう」。

 最初に講義を担当した学生は、「東日本大震災」での自らの体験をもとに、私たちの生活の中にある植物が、人を元気づけたり、意欲的にしたり、と人をポジティブにする力があることを伝え、その“植物の力”を活用するのが園芸療法と説明しました。
 
 講義の後、高校生たちは、青空が広がる園芸療法ガーデンを散策しました。花壇に咲くピンク、白、オレンジなどいろいろな色の花を見、ラムズイヤーのやわらかい葉に触れ、カレーの香りがする葉の匂いをかぎ、ピリッと辛いカラシナを食べ、鳥の声や水の音を聞き、五感を通して“植物の力”を体験し、「ビックリ!発見」との感想が出ていました。
 
 次に行ったフラワーアレンジでは、自分で作ったペットボトルの花器に、園芸療法ガーデンで摘んだ花を生け、「楽しかった」、「夢中になった」、「自由!」、「表現」などの感想があり、自分の気持ちをポジティブに変えたり、表現したりできる“植物の力”を知りました。
 

 最後は、グループワークです。『“植物の力”って何だろう?』という問いかけに、たくさんの返答がありました。「人を元気にする」、「落ちつかせる」、「人の感情に影響する!」、「心の支え」、「人を救う」、「不思議」、「植物の力は無限」、そして、「人を癒すことができるんだと思った」と高校の授業で学んでいる植物に別の力があることに気づいたようです。
 

 この日講義を行った全寮制5人の学生は、臨床検査技師、看護師、教師、介護士、管理栄養士とそれぞれの専門を持ち長年の経験を積んできました。4月の入講以降、高齢者、特別支援学校の生徒、精神・身体に障がいのある方を対象とした園芸療法プログラムを全員で計画する実習では、苦労しながら意見をまとめ実践につなげてきました。全員で取り組む最後のプログラムとなった今回、その点を十分認識して準備に臨み、また、この日参加した高校生たちが、自分たちの伝えたいことを受け入れようとする姿勢を通して学ぶものも大きかったようです。“ふりかえり”では互いに感謝の言葉が聞かれました。5人の学生は3月に修了式を迎え、兵庫県園芸療法士の資格を取得する予定です。各々の道に進みますが、これからも切磋琢磨しながら園芸療法の実践・普及者として活躍していくことを望んでいます。

(文責 金子)

 

 

 

 

 

 

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