園芸療法課程通学制 園芸療法実習Ⅱ報告会が開催されました

平成29年6月4日(日)に本校で、通学制「園芸療法実習Ⅱ」報告会が開催されました。

 通学制コースの学生は、入学2年目に、「園芸療法実習Ⅱ」を行います。この実習では、勤務している病院や福祉施設、ボランティアを行っている高齢者施設などで、試行的に園芸療法プログラムを行いながら、園芸療法の対象となる人の健康状態を知り、いくつかの健康上の課題とプラスと考えられることがらを見つけていきます。そして、どのような園芸を行っていけば健康や生活の改善につながるか、園芸療法の目標を立て、プログラムを計画します。

 この後、学生は7月から「園芸療法実習Ⅲ」が始まり、計画した内容をもとに園芸療法プログラムを行っていきます。その成果は、「通学制 園芸療法実習報告会Ⅲ」(平成30年1月21日 日曜日)で報告されます。この報告会は、一般公開(別途HPにてお知らせします)ですので、関心のある方はどうぞご参加ください。

 

いくつかの発表事例をご紹介します。

1.グループホームに入居する認知症高齢者への園芸療法計画

 普段、自分の感情を抑えすぎてストレスをためていたり、運動機会が少なく足のはたらきが低下していたりするという課題がある80歳代の女性に対して、花を育てることへの意欲を持っている、歩行可能というプラスに注目して・・・

「園芸活動中に自分の思いを表する機会が増える」、「植物の栽培管理を通して体を動かす機会が増える」という目標を立て、庭の散策、水やりや花がら摘みなどの手入れを中心としてプログラムを計画した。評価の一つとして、園芸療法実施日と実施しない日での歩数を比較することにした。

2.デイサービスに通う認知症高齢者への園芸療法計画

 認知症が進行して、不安を抱え、屋内でじっとしていられる時間が短くなり、徘徊が増えてきたという課題がある70歳代の女性に対して、屋外に出ることを希望していることや、花への関心はあること、歩行可能であることなどのプラスに注目して・・・

「自由な散策を通じて、植物にふれるなどして、ストレスを緩和し、穏やかに過ごすことができる」という目標を立てた。徘徊に意味を持たせるため、施設内の敷地に花や野菜を植えておき、散策中に花摘み・収穫・かん水などができるプログラムを計画した。評価には、行動・言動観察記録のほか、“認知症高齢者の生活の質尺度(QOL-D)”を使うことにした。

発表の様子紹介

試行的園芸療法プログラム “たねダンゴ作り”

自ら立ち上がって積極的に作業に取り組む様子あり。

「土の感触はいいね。子どもに戻ったみたい」と対象者が発言。

理解力があり、細かな作業でも集中して取り組むことができることがわかった。

試行的園芸療法プログラム “ビオラの花がら摘み”

迷わず判断ができること、細かな作業ができることがわかった。

「きれいにしていただけて助かります」と声掛けすると「こんなおばあさんでもできることがあって・・・」と

人の役に立つことを喜ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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