<園芸療法課程 修了生の活躍>元教員からの活動報告_「公園 de 園芸療法」

公園を活用した園芸療法プログラムの展開

兵庫県立淡路景観園芸学校では、兵庫県認定園芸療法士を輩出してきました。
園芸療法は、これまでは、高齢者施設など福祉関連施設で高齢者や障がい者など、支援を必要とする人々に対して行うものとして広がってきました。しかし、昨今では、医療の分野でもゼロ次予防や一次予防としてすべての人々に対する効果のあるものも、取り上げられるようになっています。
園芸療法学会では「園芸療法とは、医療や福祉分野をはじめ、多様な領域で支援を必要とする人たちの幸福を、園芸を通して支援する活動である。」と定義されています(HPより)。
これまで、園芸療法士は福祉施設内等で園芸療法プログラムを実施することが多かったのですが、近年は、健常者を対象に、コロナ鬱などの改善や、フレイル予防を目的としたプログラムも推進されていることもあり、公園を活用した園芸療法プログラム「公園de園芸療法」が展開される運びとなりました。 

令和2年度から園芸療法課程やさらには兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科も卒業した園芸療法士の方々が公園を活用したプログラムを実施しています。令和4年度の活動を中心にご紹介します。
今回ご紹介する活動の舞台となった公園は、兵庫県立淡路島公園、同明石公園、神戸市立総合運動公園、同大和公園などです。
兵庫県立明石公園では、園芸療法士の丸目みすず氏、福田栄子氏などが中心となって、園内にあるハーブ園を活用した園芸活動(写真1)、豊かな自然資源を活用した散策やストレッチ、自然観察など、そして、創造性を豊かにする創作活動(写真2、3)などを提案して実施しています。毎回、和やかな雰囲気でプログラムが進められています(写真4)。

写真1 ハーブ園で園芸活動(兵庫県立明石公園)
写真2 ガーランドづくり(明石公園)
写真3 寄せ植え(明石公園
写真4 プログラム実施の様子(明石公園)


神戸市立総合運動公園では、園芸療法士の日芳佳奈子氏、山下摂子氏が令和4年に、そして令和5年には、中井万由己交流を引き出したりしています(写真7,8)

写真5 それぞれが、自由に樹木の観察(神戸市立総合運動公園)
写真6 体育館玄関前の植栽デザイン(神戸市立総合運動公園)
写真7 木の枝でオブジェ(総合運動公園)
写真8 多肉植物の寄せ植え(総合運動公園)


神戸市立大和公園では、NPO法人コミュニティサポートセンター神戸が設立した地域共生拠点である「あすパーク」を会場として、実施しています。園芸療法士は、浅井志穂氏、根来文恵氏が活動しています。プログラムの内容は、公園の樹木を観察したり、桜の紅葉した葉っぱを採取して(写真9)、それを用いた染色活動などを行ったりと工夫を凝らしたプログラムを実施しています。また、あすパークの敷地内で、コンテナを設置し、野菜やハーブ、草花などを育てている園芸活動をセラピーガーデンと名付けました((写真10、11)。創作活動としては、地域でも広がるような学びとして、小さな創作活動から大きなものまで、多様なプログラムを提供しています。

写真9 桜の葉っぱ拾い→染色に利用(神戸市立大和公園)
写真10 種まきの様子(大和公園)
写真11 コンテナガーデンづくり(大和公園)


兵庫県立淡路島公園では、園芸療法士の顕谷友圭里氏、中田ちふみ氏が活動しています。大きなクスノキの樹陰で、深呼吸やマインドフルネスを体験するプログラムは参加者に大変好評でリラックス効果があります。参加者は、豊かな緑や広がりのある空間に身を置いて、心身のリフレッシュを行うことができるのです。また、葉っぱスタンプなど、自然素材を用いた創作活動なども行われています(写真13)。

写真12 大きなクスノキの下で、マインドフルネスを体験(兵庫県立淡路島公園)
写真13 葉っぱでスタンプなどの創作活動(兵庫県立淡路島公園)


文責:兵庫県立淡路景観園芸学校/兵庫県立大学 元教授 林まゆみ

 

お知らせ

明石公園でのプログラム
第1回 2023年11月15日(水)
第2回 2023年12月13日(水)
第3回 2024年1月24日(水)
第4回 2024年2月28日(水)
第5回 2024年3月27日(水)
*詳細はチラシをご覧ください。

 

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