8月5日(土)植物カフェを開催しました

8月5日(土)、王子公園駅に近い“ミドリカフェ”で、『植物カフェ』が開催され、一般の方、本校園芸療法公開講座受講生、園芸療法課程修了生など15名が参加されました。
内容を簡単にご紹介します。
金子教員による学校紹介に続いて、「みどり・園芸・癒し」と題して、豊田教員の話です。

1.みどり

1)ストレスのしくみと癒し ~「病は気から」は本当か?~

・現代人のストレスは慢性的。
・「闘争か逃走か」に対応する古代のヒトのストレス対処のしくみでは対処しきれない。
・ストレスが続くと、血圧上昇、血糖量上昇、免疫力低下、記憶に関係する海馬が萎縮。
・ストレスの先には、精神、身体、行動の不調、生活習慣病、精神疾患、認知症が・・・。

2)みどりの効果 ~これは、園芸好きの人にだけに起きるのか?~

・エドワード・ウイルソン(ハーバード大学)がバイオフィリア(生命愛)仮説提唱。
・ロジャー・ウルリヒ(テキサスA&M大学)がバイオリフィア仮説進化論的考察提唱。 
・ウルリヒの説:サバンナの草原(安全な緑の景観)を好む人が進化して世界へ拡大した。
・ヒトは、自然・植物・動物への嗜好性がある。
・さらに、サバンナのような景観ではストレス軽減、認知機能向上と創造性発揮が期待。
・その遺伝子は、現代のヒトにも受け継がれている。
・だから、園芸好きに限らず、緑はすべての人に効果的なストレス軽減手段となりうる。
・カプラン夫妻(ミシガン州立大学教授)は、注意回復理論を提唱。
・注意回復要素(解放・広がり・魅了・適合性)がある景観は、ストレス軽減しやすい。

2.園芸 ~最近の世界の研究から~

・ガーデニングの認知症予防効果は高い。
・疫学的研究(アメリカ・オーストラリア)から裏付けられる。

3.癒し ~頭のなかで起きていること~

・安静時、脳内ではデフォルト・モード・ネット・ワーク(DMN)が働く。
・これは、内側前頭前野と後部帯状回の同期活動。
・単純作業時、DMN活動が起こるが、マインド・ワンダリング(心の迷走)も起きやすい。
・マインド・ワンダリングよりストレスを下げるマインド・フルネス(心の瞑想)が大切。
・景色を見る時、園芸をする時、植物を使う創作活動をする時、快刺激が脳に入力される。
・この時、外側前頭前野とDMNが働きマインド・フルネス(ストレス軽減)になり易い。

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