園芸療法実習Ⅲ(通学制)報告会が開催されました

平成30年1月21日(日)本校で、園芸療法実習Ⅲ(通学制)報告会が開催されました。

非常勤講師の先生(平野先生・横田先生・坂田先生・岡野先生)、園芸療法課程修了生、実習指導をしてくださったスーパーバイザー(修了生)、在校生など40名が出席し、とても活発な質疑も行われました。以下、タイトルと内容をご紹介します。「誰かに話を聞いてもらいたいがかなわない」、「何かできることをしたいが施設で何ならできるのかわからない」、「いらだちが募るが解消のしようがなく日々を過ごしている」、こうした気持ちを学生が受け止めながら、緑のある景観、植物、栽培、創造活動を通して、心の回復、生活の回復につなげて行った事例です。

 

【グループホームに入居中の認知症高齢者に行った園芸療法】

認知症進行(中等度)、日常生活動作能力低下、感情制御困難、運動不足、寂しさなどの課題がある80歳代女性に、注意や作業遂行能力やコミュニケーション能力が比較的保たれている点に注目して、週1回計18回の園芸療法(夏野菜栽培・中庭散策など)を実施(参加者2名は固定)。後期には、辛い過去を語る、活動への希望を述べる、他者へのきつい言葉が減り、認知症高齢者の質尺度(QOL―D)で、周囲との交流や、自分らしさの表現に関する項目で改善が見られた。

 

【養護老人ホームに入所しているアルツハイマー型認知症高齢者に行った園芸療法】

認知症(軽度から中等度)でよく探し物をし、ヒステリックな面や帰宅願望がある70歳代女性に、園芸経験があり、日常生活動作はほぼ自立している点に注目して、週1回計18回の園芸療法(野菜・草花の栽培、収穫物調理など)を実施(参加者2名は固定)。馴染みのある畑作業に集中することでエピソードを語る機会が増え、自分の思い通りに体を動かす時間がストレス軽減につながった。

 

 

【グループホームに入居するアルツハイマー型認知症高齢者に行った園芸療法】

生活に慣れたが、屋内で何もしない単調な日々が多く、無気力で認知症(中等度)進行が懸念される80歳代女性に、屋内生活が見守り下でほぼ自立している点に注目し、週1回計18回の園芸療法(外の景色をみて話す・野菜栽培・寄植え作りなど)を実施(参加者2名は固定)。認知症進行とともに時間の見当識や短期記憶機能低下がみられたが、園芸活動後のフェイススケール(気分評価)は改善し、認知症が進行しても意欲を引き出し、その日その時を豊かな気持ちで過ごすことができた。

 

【通所介護施設に通う認知症高齢者に行った園芸療法】

認知症(中等度から重度)で記憶障害が目立ちネガティブな感情表出が多い70歳代女性に、農業経験があり歩行器で自力歩行可であることに注目し、週1回計18回の園芸療法(体操・散歩・野菜の栽培など)を実施(個別支援)。学生と一対一で話す時間が増え、喜びや栽培の成功体験を共有した。最後には「今日は何をする?」と笑顔で応対するまでになり、認知症高齢者の質尺度(QOL―D)にも周囲との交流に関する項目で改善が見られた。

 

 

【介護老人保健施設に入居する認知機能低下がみられる90歳代男性に行った園芸療法】

認知症(中等度)で怒りっぽく時折、入浴や活動に拒否がみられる症例に、果樹栽培経験があることに注目して、昔の園芸経験を振り返ることができるよう、週1回計18回の園芸療法(野菜栽培・寄植え作り・果樹苗植付など)を実施(参加者2名は固定)。症例の園芸経験を他者に伝える場面を作ったことで、今までの思い出や知識を発揮することができ、認知症高齢者の質尺度(QOL―D)にも、周囲との交流に関する項目で改善が見られた。

 

【介護付有料老人ホームに暮らす80歳代の高齢者に行った園芸療法】

いくつかの疾患を抱えて一般入居棟から介護棟へ移り、娘と離れていて寂しさを感じている女性に、認知機能、身体機能が保たれていることに注目し、週1回計18回の園芸療法(寄植え管理・花壇散策・創造活動など)を実施(参加者2名は固定)。作業に熱中する時間が生まれたこと、もう1名の参加者や学生と交流が深まったことで快感情が積み上げられて、介護棟においても充実した生活が生まれてきた。

 

非常勤講師の先生からコメントをいただきました
お世話になったスーパーバイザーの先生と記念撮影

 

 

 

 

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