1年前期【応用】市民主体の緑環境マネジメント演習
この演習では、市民が主体となって緑地を創出したり管理したりしている事例を対象に、どのような活動を行っているのか、それによりどのような意義があるのかを体感的に学ぶとともに、事例が抱えている課題を解決するための提案作成をします。グループワークを通じた、多様な人々との意見調整・プレゼン能力の涵養も狙っています。
対象地は毎年変わりますが、淡路島や神戸市内の公園や空き地活用型のコミュニティガーデンが主に対象になります。
1年前期【応用】緑環境評価論・演習
緑環境のユニバーサルデザインを考える
この講義および演習では、緑環境評価のあり方、なかでもユニバーサルデザインなどのSDGsに含まれる脆弱な立場にある人々の包括利用に関する考え方およびその具体的な方法に関する知識を修得します。ここでは、ユニバーサルデザインの歴史的経緯、外部空間、行為空間などハード整備に関することのみならず、情報、支援機器、人による支援などのソフトまで、多様なアプローチについて学びます。また、現場見学や外部講師による講話なども積極的に取り入れ、、ユニバーサルデザインの現状と課題について理解を深めていきます。演習では、公園緑地での包括利用に関する具体的な提案を目標としながら、グループワークや発表演習、現地実習を加え、実践性の確保に努めています。
1年前期【基礎】緑環境景観政策論(学内講義)
「住みよいまち」をつくるための「インフラ」のあり方を考える
「緑環境景観政策論」では、地域の緑地環境を総合的にマネジメントし、自然と共生する持続的な地域を実現していくための土地利用コントロールに関する各種施策の企画立案に必要となる多様な知識を修得することに主眼を置いています。
このため、わが国における都市の土地利用の現状やそれにいたる背景を理解したうえで、施策目標の立て方、目標の実現手法とその具体的な内容および適用方法を学びます。
授業は4月に始まりましたが、さっそく具体的に「住みよいまち」とはどのようなものだろうか、を実地に考えてみました。
ある地域を対象に、住みよいまちづくりのためにまず「インフラ」を整備するとして、どのようなインフラが必要なのか、グループに別れて図面上で考えてみました。
しかし、このようなインフラをあらゆるまちで実現していくためには、このようなインフラ整備を「ルール化」しなければなりません。
次の授業では、みんなが考えたインフラの姿を、どこでも、誰でもが実現してもらえるような「ルール」の内容を具体的な文章で考えていきます。このようなルールこそが都市計画制度なのです。
1年前期【基礎】緑環境景観政策論(現地実習)
「緑のまちづくり制度・事業」の現場を確認する
「緑環境景観政策論」では、教室で緑のまちづくり制度や事業を勉強するだけでなく、それらの制度・事業が適用された現場はどうなっているのか、そこで住民や行政担当者はどのように活動・行動しているのかを実践的に勉強します。そのため、一日をかけて講義で学んだ制度・事業の適用現場を神戸市内でつぶさに見学してまわる実習も行います。
まずは、住民が組合をつくり「土地区画整理事業」でまちづくりを行った地区の住民の方のお話しを聞きます。その区画整理事業で生み出された公園も地元住民の花クラブによる管理が行われています。
同じように区画整理事業をやって農地を集約し、市民農園として活用している地区、都市計画の理論通りに開発されたニュータウンの見学と進み、
風致地区、特別緑地保全地区が指定されている「大山寺」の見学です。
最後に「都市基幹公園」である「神戸総合運動公園」で都市計画上の位置づけと管理のようすをお聞きしたり、公園内の里山保全ボランティアの方からも活動のお話しをお聞きしました。
また、ここでは運動公園の陸上競技場と野球場(スカイマークスタジアム)に入れていただき、グリーンキーパーさんからスポーツターフ管理の専門技術を伺いました。
説明終了後、特別の計らいでかつて「イチロー選手」が守っていたライトの守備位置に入れていただきました。
こうして、学生自身の頭のなかで、「講義で学んだ制度・事業」と「それらが適用された現場のようす」の関係性がしっかりと構築されるようにしているのです。
2年前期【応用】公園管理運営のソフト展開技術演習
本演習では、公園内に設置されることの多いネイチャーセンターや自然学習センターの業務として、標本やレプリカなどの環境学習ツールの作成方法や用い方、ビオトープなどの屋外の学習環境の作り方や管理方法などについて指導しています。特に標本制作では、昆虫標本、封入標本、骨格標本、透明標本など、多様な制作方法を伝えています。現地見学も豊富に行っており、有馬富士自然学習センター、伊丹市昆虫館、甲山自然学習センター(甲山自然学習館)などを訪問、地域連携や公園資源の活用などについて学んだり、島内の保育所に出かけて自然体験プログラムを提供したりしています。
2年通年【発展】施策マネジメント実践演習
アジア里山里海遊びキャンプの実践
本校の実践演習では、建築や公園の設計、研究論文の執筆だけでなく、学生主体による緑環境関連プロジェクトの実践も認めています。本領域に所属する粕谷朋未さんは、南あわじ市の沼島で、アジアの子ども達(台湾、韓国、マレーシア、日本)を集めての2泊3日の環境学習キャンプに取り組みました。
内容は、アジアにおける環境学習の現状や課題をふまえた上で、「遊びながら学ぶことの重要性」を体験的に伝えるべく、海・森・里での遊びプログラムや、食を通じた自然文化比較などを行い、それらの成果を国際フォーラムで発表しました。また、プログラムデザインだけでなく、海外や地元との調整、広報活動、資金および資材の調達、実行委員会の運営など、マネジメントに関わる様々なノウハウを、試行錯誤を繰り返しながら修得していきました。
現在、そのプログラムの効果を検証したり、次の国際交流×環境学習キャンプを企画したりと、継続性のある取り組みにすべく努力しています。
専門課程学生と園芸療法学生が病院ランドスケープ計画づくりに参加
昨年10月から12月にかけて行われた「兵庫県立淡路病院 ランドスケーププラン ワークショップ」をベースにした県立淡路病院建替整備計画の概要が発表されました。
このワークショップは、2013年度の完成を予定している県立淡路病院のランドスケープをつくるために、本校学生(緑環境景観マネジメント研究科1期と園芸療法課程7期)を対象に行われたもので、本領域からは高橋美和と粕谷朋未の2名が参画しました。
学生からは地域の「健康」をテーマに、園芸療法ガーデンや散策コースなどのデザインの提案だけでなく、地域と連携したガーデン管理運営プランなども提案しました。