緑環境景観マネジメント企画演習

淡路島の公園で“高齢者支援のための園芸療法の活用”を学びました(2019年10月11日)

緑環境景観マネジメント企画演習は、都市公園のリノベーションやマネジメントを多様な主体と協働して実施することに主眼を置いた必修科目です。今回は、高齢者福祉施設に入居する方々が公園を訪問した際に、心や身体が癒されるよう、“高齢者支援のための園芸療法の活用”を学びました。当研究科のある淡路景観園芸学校には全国で唯一の公立の園芸療法を学ぶ課程があり、また、島内には実践可能な公園もあります。専門性・立地ともに大変有利な研究科です。国営明石海峡公園において園芸療法ボランティア実践講座に参加し、実体験を行いました。(藤原道郎)

園芸療法課程の豊田正博先生にみどりを通した高齢者支援とストレス回復について学ぶ
園芸療法課程の金子みどり先生に車椅子や高齢者の方への対応などを学ぶ


実際に車椅子に乗る,押す,の両方を交互に体験
人を“魅了”し,ストレス回復に寄与する公園の植物


“解放”・“広がり”の要素としての海や空,“魅了”要素としてのそよ風などを実感
植栽空間の中も散策.地面の感覚も異なることがわかる


本日のルートの最高地点から空や海・公園の芝生・樹木・草本を眺めて,日常とは異なる“癒し”を感じる


淡路島の公園で“高齢者福祉施設入居の方々の車椅子での公園活用における園芸療法的活動の実践”を行いました(2019年11月15日)

緑環境景観マネジメント企画演習は、都市公園のリノベーションやマネジメントを多様な主体と協働して実施することに主眼を置いた必修科目です。前回(10月11日)に学んだ “高齢者支援のための園芸療法の活用”をもとに、車椅子利用の高齢者の方々の公園利用の実践を行いました。今回も園芸療法課程の豊田先生、金子先生にご指導、上地インストラクター、兵庫県園芸療法士のサポートをいただきました。(藤原道郎)

車椅子の高さでの視点:
当日の事前下見で車椅子の高さでどのように見えるか確認を行いました
和みの植物:
自己紹介の際には馴染みのある植物や季節感のある多様な色の植物をテーブルの上に置き高齢者の方と一緒に見ることで,和やかになります.


植物を介しての自己紹介:
緊張を解きほぐすために植物を介しての自己紹介を行ないました.
紅葉と海:
美しい紅葉と海の広がりを感じました.

 

 


のどかな海:
車椅子の高さからものどかな海を見ることができました.
和やかな会話:
緊張も解きほぐれ和やかな会話が聞こえてきました.


匂いの体感:
公園に植栽されたゲッケイジュの葉を取り,匂いを体感しました.五感を刺激することは大切です.
ひげは嫌いなんやけどな:
「ほんまは,ひげはきらいなんやけどな」とのことです.それでも,和やかに会話が続いていました.


学生サポート:
車椅子を押して会話を行う学生以外にも,学生が寄り添い日陰を作るなどのサポートを行いました.
紫色が好き:
花を見ながら学生の問いに「紫が好き」との答えで,施設の方もご存じなかったということで,会話が弾んでいました.


ローズマリーのおしぼり:
散歩から戻るとローズマリーの香りのおしぼりで疲れを取りました
花の持ち帰り:
学生が摘んでお渡しした花を散歩のあいだ手に持っておられた方が,花を持ち帰りたいとのことで,袋に入れてお持ち帰りいただきました.


参加へのお礼の挨拶:
最初は学生も緊張していたものの,散歩をするうちに打ち解け,和やかに楽しく過ごすことができました.感謝をこめて,学生皆で参加のお礼の挨拶を行いました.
振り返り:
今回の実践を振り返り,気づきを共有しました.公園という施設の充実はもちろん,人が介在することが欠かせないことが再認識され,その役割を少しでも担えるように,ますます知識技術の修得を行いたいと思える実践でした.


 

植生景観構造論

この科目の目的は、生物多様性の保全をはじめとした自然環境と人間活動の調和のための緑地計画・管理を行うために必要な、時間と空間のスケールを意識した植生景観の構造、機能およびその変化を理解し、場の特性を活かした適切な保全管理手法を修得することである。そのために、植生分布と環境、植生遷移、景観生態学の基本的な概念、植生図化およびその解析、文化的景観と人間活動、生態系や生物多様性保全などへの応用について、植生学および景観生態学の観点から分析し考察する。

植生景観構造論で淡路市摩耶地区でフィールドワークを実施

人口減少,高齢化が進む淡路市摩耶地区の植生景観の保全および地域資源の掘り起こしを学生の目で行うことを目的とし,6月26日に現地フィールドワークを実施しました.
当日は地元住民代表,行政担当,専門アドバイザーに学生が加わり,集落を歩いて回りました.淡路島摩耶地域づくり協議会の上田会長,山崎事務局長, 武田集落元気アドバイザー,淡路県民局未来島推進課植松地域活性専門官からの概要説明を受けました.

 

 

水田面積が狭いため圃場整備の対象とはならずに棚田が残っていた / 耕作地としては手間はかかる

 

かつて利用されていたと思われる萱場(ススキ草原)株立ち状の立派なススキが生育していた.かつては屋根材などとして利用されていたものと思われる./ 竹林のトンネルをくぐる.薄暗く静かではあるが,管理されていないため植林されたスギも枯死していた.

島内外の若者も展望台にやってきていた

事前調査に訪れた6月11日には摩耶展望台に登ってきた若者が,眺望の良さに感動の声を上げていた.一人は淡路在住でもう一人は仕事で淡路島に来ているということで,たまたま下から見ていたら山の上の方に何かありそうだ,ということになり車と最後は徒歩で摩耶山展望台まで登ってきたということだった.住民の努力で作られた展望台も早速,部外者にも認知されるという効果があったことになる.

 

摩耶山展望台からの大阪湾側の眺望 / 摩耶山展望台での意見交換 2013年12月に伐採を行い展望台として整備した摩耶山山頂近くで,学生からの視点を発表し地元の方々との意見交換を行いました.

保全管理基礎演習

この科目の目的は、緑環境を保全管理する上で必要となる植物の分布や環境との関わり、生理生態、緑地認識に関わる理論と技術の基礎を修得することにある。そのため、我が国の代表的植生ならびにそれを構成する植物と立地環境、人為的攪乱、動物等との関係を日本海から瀬戸内海までに広がり多様な環境を持つ兵庫県を主な事例として、現場での観察や調査も行いながら、実体験として理解するとともに、植物の生理生態や緑地認識に関する理論の修得を目指す。緑環境に関する学部以外の学部出身者を主な対象として生理生態学、植生学、保全生態学、緑地学などの内容を含んだものである。

 
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