淡路島の竹資源を活用した産官学の新たな共同研究をスタート
~淡路島産の竹を混合した木質繊維材を使って島の景観保全と新しい生活様式を提案~
1.相互連携による新たな取組みの内容
- 竹チップを混合させた新たな木質繊維材(竹混合ファイバー=DW)を研究開発
- 棚田法面や道路植栽帯の土壌として竹混合ファイバーを活用し、防草・抑草効果を検証(10%竹混合ファイバー5tで約100㎡に敷設=竹5t消費)
- 竹混合ファイバーの農村景観への影響の検証と園芸材としての活用可能性を研究
産学官が有する知見を相互に活用し、竹資源の活用に連携して取組むことで、以下の効果が期待される。
(1)一定量の竹を材料として安定的に伐採・供給することで放置竹林の拡大を防止
(2)棚田や農地、道路植栽帯の環境を良好に維持することで美しい棚田景観の保全と安全安心な社会基盤の維持・形成に貢献
(3)人口減少や高齢化の進展で地域の担い手が不足する中、草刈り等の維持管理作業を省力化することで持続可能な地域づくりに貢献
(4)園芸療法とのタイアップによる新たな生活様式の提案
2.調印式の内容
(1)日 時 令和2年10月1日(木)15時00分~
(2)場 所 兵庫県立淡路景観園芸学校 多目的ホール
(3)出席者 ・兵庫県淡路県民局 県民局長 亀井 浩之
・一般社団法人兵庫県造園建設業協会 会長 橋本 渉
・大建工業株式会社 常務執行役員 国内事業統括副本部長 吉田 和雅
・国土防災技術株式会社 取締役 事業本部長 田中 賢治
・兵庫県立淡路景観園芸学校 校長 中瀬 勲
(4)内 容 ①協定締結の趣旨・概要説明
②協定書調印(署名、協定書交換)
③記念写真撮影
3.解説
(1)あわじ環境未来島構想(事務局:淡路県民局交流渦潮室)
歴史、自然、食など豊富な地域資源に恵まれた淡路島で、住民、NPO、企業、行政が一緒になって持続可能な地域社会モデルを生み出していこうとする取組み(H23~)。「エネルギー」「農と食」「暮らし」の3つの“持続”を柱に『生命つながる「持続する環境の島」』の実現を目指す。
(2)一般社団法人兵庫県造園建設業協会(本部:神戸市兵庫区、会長:橋本渉)
兵庫県内で造園業を生業とする企業の団体。造園緑化技術の向上と県民の緑化意識の向上を目的とした事業を行う。会員数32者(R2.9.1時点)。
(3)大建工業株式会社(本社:大阪市北区、社長:億田正則)
建築工事・施工管理も手がける素材・建材メーカー。国産の廃棄木材チップを特殊解繊処理し、フルボ産を添加した土壌改良材「DWファイバー(※)」を国土防災技術(株)と共同開発。(一社)兵庫県造園建設業協会賛助会員。
(※)DWファイバーの特徴:通水性・保水性に優れ、植物の生育促進効果を有する。一方、地表に覆い被せることにより地温上昇の抑制や防草・抑草効果が期待される。手が汚れないほか、一般ゴミとして処分可能なことから、土に替わる園芸材としての利用も見込まれる。
(4)国土防災技術株式会社(本社:東京都港区、社長:相川裕司)
山地災害に関する建設コンサルタントや防災関連建設工事を行う総合コンサルタント会社。純国産の木材と有機酸からフルボ酸(※)を量産化する技術の特許を保有。 (一社)兵庫県造園建設業協会賛助会員。
(※)フルボ酸:森林や土壌の中に存在する腐植酸のひとつ。植物にミネラル補給する役割を担う。