岩手県から震災支援活動のお礼メールが届いております。その一つをご紹介します(天野玉記)。

 

「兵庫県の大学の先生にお知らせしてもいい?」と聞いたところ快く「OK!」と言ってくれました。素敵なトトロファミリーとなりました。

昨年、兵庫県から震災支援の助成金を頂き、3回岩手県の各地で園芸療法の理論とプログラムをお伝えしてきました。その成果として数々のお便りを頂いておりますが、その一つをご紹介させて頂きたいと思います。

 

<メール内容の要約>

現在、教室ではなく「相談室・サポート室」で学習している中学生たちに、毎週ストレスマネジメントを行っている養護教諭です。

今日は上質のラムズイヤーの葉が手に入り、ラムズイヤーのトトロにチャレンジしてみました。
ラムズイヤーの葉はまるでビロードみたいで心地よかったです。
ひげ爺みたいなトトロ、涙ぐんでいるようなトトロ、ラベンダーのお花を持ったトトロなど面白いトトロが出来上がりました。
ラムズイヤーの葉が長持ちしたので、生徒の発案によりウズラの殻を使用し小トトロも作ってみました。それらも合わせて、トトロの森を作ろうという話になっています。

作成している生徒たちは、いろいろな課題を抱えている子どもたちですが、植物に向かっている時は、自分の世界に入り込んで楽しんでいるようです。

 相談室・サポート室登校の生徒たちが生けた花を校舎内に飾っているのですが、職員からも「ここを通るとほっとする」「今度は何が生けてあるのか楽しみ」などの声が聞こえます。
生きた花を飾ることにより、ほんわかとあたたかい空気も流れるようになりました。
植物の小さなエネルギーが、こころと環境に与えるよい効果を実感しております。


 

ペーパーバックに「5月の風景」を表現した
フラワーアレンジメント

沿岸部のみなさんの思いや日々のくらしの様子が子どもたちに伝わることを願って、宮古市の仮設住宅のみなさんが新聞紙で作られたペーパーバックに、お花を生けてみました。

カッティングのコイノボリと兜も生徒のアイデアです。
子どもの感性は面白いです。

昨年、先生方から教えていただいたことを、日々の学校生活の中で展開していますが、本当に園芸療法の中には、人の心を癒す力があると実感しております。
震災後2年目に入り、安心して語れる場が必要と思っております。
沿岸部でがんばっているみなさんの心のサポート・ケアについて、今年度は考えていきたいです。

本年度の震災支援活動について

本年度は、非常勤講師であり岩手県在住の グロッセ世津子先生 が、陸前高田の仮設住宅での園芸療法による震災支援の継続や、盛岡での養護学校などで園芸療法による支援活動を継続して下さっています。

 また、岩手県立大学とともに本年度の震災支援活動の計画も準備中です。
今年度は、「安心して語れる場作り」や「支援者のストレスマネジメント」など、少し落ち着き始めてから起こる被災者の様々な心の葛藤を聞いたり、安心安全の確保が出来るような場作りなど、心のケアを大切にする園芸療法による震災支援を実施したいと思います。

 

                                 東日本大震災被災者支援事業-花と緑を活用した暮らしと心のケア-

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