身近な公園の活用にみるまちづくり
1.趣旨説明 塚田伸也 (兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科)
2.話題提供
(1)身近な公園を活用したまちづくり
西山ゆたか (Sooo Good Nagata/プロデューサー)
(2)公園を活用した健康づくり
亀井智子 (ヘルシアガーデン/Heather Life)
(3)公園におけるスケートパーク企画
Zhou Yuhong (兵庫県立大学大学院緑環境マネジメント研究科修士2年)
3.総合討論(進行:塚田伸也)
コメンテータ
西山ゆたか (Sooo Good Nagata/プロデューサー)
亀井智子 (ヘルシアガーデン/Heather Life)
Zhou Yuhong (兵庫県立大学大学院緑環境マネジメント研究科修士2年)
2026年9月15日(火)ランドスケープ・オンラインセミナー「身近な公園の活用にみるまちづくり」を開催し、当日は約134名が参加しました。
セミナーの趣旨
これからの都市公園のあり方については、国のあり方検討会などを通じて、①ストック効果をより高めること、②民間との連携を加速すること、そして③一層柔軟に使いこなすこと、という3つの観点が、示されている。
全国各地でも、都市公園を柔軟に使いこなすためのユニークな試みが数多く展開されている一方、現場に目を向けてみますと、運営体制の構築や、担い手・人材の確保など、多くの課題も見られる。これからの社会状況の変化を踏まえたとき、身近な公園の活用はどのようにあるべきなのか?
本セミナーでは身近な公園の活用を事例にした話題提供を、3名の方からいただき、「これからのまちづくりにどのように生かせるか」そのあり方について、ご参加の皆様とともに深める。
【話題提供】
(1)身近な公園を活用したまちづくり
神戸市長田区で川掃除のボランティアから活動を開始し、樹木医との出会いを機に「公園管理会」を設立。イベント活動、市民農園、バスケットコートなどの公園を活用した企画に携わり、現在は8つの公園に関わる。自分で抱え込まず専門家と組むこと、行政の制度や機運(タイミング)を活かすこと、地域・専門家・行政をつなぐ「コーディネート機能」の重要性が強調された。
(2)公園を活用した健康づくり
産業保健師としての経験から「健康は職場だけで支えられない」との問題意識を持ち、2026年4月より神戸市長田区の西代水池公園でヘルシアガーデンプロジェクトを開始。花壇の園芸活動を通じ、身体的健康に加え、人とのつながりによる「社会的健康」の向上を目指す。担い手の継続性、公共空間としての合意形成の難しさが今後の課題とされた。
(3)公園におけるスケートパーク企画
公園利用における禁止事項の多さを背景に、スケートボードの利用者増加に見合う施設不足と利用時の騒音問題等が課題として提示された。兵庫県内における4カ所の現地調査、一般公園利用者と公園を管理する自治体アンケート調査から、施設に対する利用ニーズが高い一方で、設置されたスケートパークに対して多くの苦情も寄せられており、スケートパークの設置に行政の慎重な姿勢をとっていることが指摘された。このギャップを埋めることが大切と考え、高校生と一緒に神戸市内でのスケートボードを理解知ってもらうための企画をしたいという希望があった。
【総合討議(ポイント)】
(1)身近な公園を活用していく上での問題と課題
- 公園ごとの特性やニーズのリサーチ不足、利用者側に使い方が十分知られていない現状(西山)
- 公共空間ゆえの合意形成の難しさ、活動を支える仲間・資金の確保という継続性の課題(亀井)
- 規制・禁止事項の多さと、新設よりも既存公園の活用に予算を振り向けるべきとの提言(Zhou)
(2)魅力あるまちづくりのための役割と可能性
- 身近な公園の充実が住まいの魅力になり、企業との連携がさらなる可能性を広げる(西山)
- 公園が日常に溶け込むツールとなり、多様な専門性がつながり健康なまちづくりに貢献(亀井)
- イベント開催、将棋・トランプなどの設置による多世代間交流(Zhou)
総括
3名の話題提供は、コミュニティ形成(西山)、心身の健康づくり(亀井)、若者の活用(Zhou)という3つの異なる切り口から「身近な公園」の価値を考えるものであった。公共空間としての合意形成、担い手・資金の継続性、規制・制度については、公園の活用にあたり共通の課題として浮き彫りとなった。
総合討議は、多くの参加者のもとで活発に行われ、地域・専門家・行政・企業など多様な主体が「できることから」少しずつ関わっていくプロセスの重要性が共有された。本セミナーは、身近な公園の活用にみるまちづくりについて、多角的な示唆を得られる有意義な機会となった。
その他(当日チャットで寄せられた質問・意見)









