岩崎 哲也 / IWASAKI Tetsuya
ランドスケープエンジニアリング研究室
主任景観園芸専門員
兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科准教授
tetsuya_iwasaki(アットマーク)awaji.ac.jp
ブログ:http://ameblo.jp/iwasaki39/
教育研究の視点
実務と研究の視点から、社会・業界・業務に深い関わりを持ったみどりの技術としての研究・教育を進めます。
心と命の通い合う社会が持続するために必要な“みどり”とは何なのか?その機能、その素材について具体的に考えましょう。
1.都市のみどりの特性と効果効用
私たち人間と環境との接点として、身近な樹木や生物を考えます。その生育・生息特性や、防災効果、生物多様性をはじめとした私たちの生活との関係性の研究、その普及啓発をテーマとします。
都市では、水辺や草地、空き地の減少など、人間の生活にともない空間が変化しています。病虫害に強く、乾燥に強く、空気汚染に強く、見栄えがするといった樹木や草花が好まれ、独特の都市生態系や景観が形づくられています。樹木の♂と♀のバランスだって不自然です。こうした現状や特性について、これからの都市空間の計画や設計、ものづくりに生かすよう研究します。このような都市のみどりを媒体にしたまちづくりや人つながりの活動、観察などを通じ、みどりを取り巻く環境の情報を共有していくことが大切だと考えています。
2.いのちの大切さ、モラル
私たちの仕事では、テクニックや単なる技能より「環境やいのちの大切さ」と「いのちを扱うモラル」を正面から見つめることが大切です。全国的に、さまざまな要因により身近な環境にふれる機会が減少し、そのため幼児期から日常的に「環境やいのち」と触れる機会が減っています。環境の中で小さな動物や植物がどうして生きているのか、生存する条件として何が必要なのか、どのように子孫を作っているのかなどを考え、人間を含めたすべての生物は環境とともに存在することを意識し、バランスを考えることは“みどり”の仕事のスタートラインの一つだと考えています。
こうしたことを基本に、自然環境調査、環境計画・設計・施工、ビオトープ、まちづくりのテクニックなどを考えます。
経歴
1989年 明治大学農学部農学科 農業土木・緑地学専攻卒業
1991年 千葉大学園芸学研究科 環境緑地学専修修士課程修了
1991年 (株)森緑地設計事務所
2004年 博士(農学)、論文(明治大学)
2005年 (財)練馬区都市整備公社練馬まちづくりセンター専門研究員、(財)練馬みどりの機構特任研究員
2011年~ 現職
教育活動
景観園芸専門課程/兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科
・フィールド植物観察演習Ⅰ、Ⅱ(分担)
・反復型インターンシップ(分担)
・環境防災計画演習
・緑環境景観マネジメント企画演習(分担)
・活用デザイン実践演習(分担)
・緑景観マネジメント論(分担)
園芸療法課程
・園芸療法特論(分担)
・人・植物・健康(分担)
生涯学習課程
・本科コース(分担)
・マスターコース(分担)
・テーマコース ~いきものつながり~
社会活動
学会
・日本造園学会
・環境情報科学センター
・樹木医学会
・日本緑化工学会
主な研究部会等
・(社)日本樹木医会、技術部会
・グランドカバー&ガーデニング共同研究会
・全国巨樹・巨木林の会
研究活動
著書
・火災便覧 第4版(分担執筆)(2018)樹木の防火効果,共立出版(株)
・造園工事総合示方書 技術解説編(分担執筆)(2015)経済調査会
・都市の樹木(単著)(2012)文一総合出版
・未来に残すビオトープ施工技術(分担執筆)(2012)学報社
・都市緑化の最新技術と動向(分担執筆)(2011)CMC出版
・いきものつながり(分担執筆)(2011)文一総合出版
・ビオトープ管理士資格試験 公式テキスト(分担執筆)(2010)日本能率協会
・磯の生物 飼育と観察ガイド~潮だまりに暮らす無脊椎動物たち~(単著)(2005)文一総合出版
・造園施工管理(改訂25版) 技術編(分担執筆)(2005)日本公園緑地協会、国土交通省
・NEO-GREEN SPACE DESIGN新・緑空間デザイン④設計・施工マニュアル(分担執筆)(2004)誠文堂新光社
・知っておきたい屋上緑化のQ&A(分担執筆)(2003)鹿島出版会
・グランドカバー緑化ガイドブック(分担執筆)(2000)鹿島出版会
・NEO-GREEN SPACE DESIGN新・緑空間デザイン③植物マニュアル(分担執筆)(1996)誠文堂新光社
・NEO-GREEN SPACE DESIGN新・緑空間デザイン②技術マニュアル(分担執筆)(1996)誠文堂新光社
・NEO-GREEN SPACE DESIGN新・緑空間デザイン①普及マニュアル(分担執筆)(1995)誠文堂新光社
論文
・岩崎哲也(2019)糸魚川市駅北大火における被災樹木の実態について,日本造園学会ランドスケープ研究(オンライン論文集) / 12 巻. pp.10-13.→J-STAGEリンク
・岩崎哲也、手代木純、鳥越昭彦、高橋涼、奥原一樹(2017)市街地における防火効果に関与する落葉樹の遮蔽力について,日本緑化工学会誌43巻1号. pp235-238.→J-STAGEリンク
・東新川寿紗菜、嶽山洋志、岩崎哲也、美濃伸之(2017)兵庫県淡路市の全17小学校を対象とした校庭のデジタル樹木図鑑の作成について,造園技術報告集No.9. pp132-135.
・池田拓朗、岩崎哲也、松井敬子、小川哲生、上村晋平(2017)寝屋川河畔域の遊水地(大阪府営深北緑地)におけるユリノキ集団樹勢低下の原因とその回復に向けて,造園技術報告集No.9. pp84-87.
・嶽山洋志、東新川寿紗菜、札埜高志、岩崎哲也(2015)デジタル教材「植物同定クイズ」の制作,造園技術報告集No.8. pp22-25.
・岩崎哲也、新井孝次朗、永石憲道、森岡千恵、山下得男(2015)津波の被害を受けた都市樹木の2013年までの状況について,造園技術報告集No.8. pp22-25.
・岩崎哲也(2010)潮間帯における身近な無脊椎動物への動物観について~昆虫とは違う不思議な印象の謎~,ヒトと動物の関係学会,動物観研究No.15.pp19-22.
・岩崎哲也(2010)練馬区におけるエコロジカルネットワーク,日本都市計画学会,都市計画Vol59 No.5(287号)pp42-45.
・岩崎哲也、田中聖美(2009)地域性系統種苗を活用した住民参加による取組み“植物ホームスティ”について,日本造園学会,造園技術報告集No.5. pp82-85.
・岩崎哲也(2007)受熱時に樹葉水分が温度上昇を抑制する効果の実証ならびに樹葉の形状変化に関する実験,日本造園学会,ランドスケープ研究70巻4号.pp306-311.→J-STAGEリンク
・岩崎哲也(2005)防火的視点からみた各種樹葉の含水率に関する研究,日本造園学会,ランドスケープ研究68巻5号. pp525-528.→J-STAGEリンク
・岩崎哲也、中村忠昌、 安部邦昭、小木曽裕、 島一喜、大森繁(2005)鎌倉市域の環境共生住宅における主な動物相とその誘致手法の効果について,日本造園学会,造園技術報告集No.3. pp18-21.
・岩崎哲也、加藤順子、森口俊宏、半田真理子、今井一隆(2005)霞ヶ関に創出された高層屋上庭園における昆虫相の変遷について,日本造園学会,造園技術報告集No.3. pp22-25.
・岩崎哲也(2005)樹木の防火力の評価及び防災緑地計画への提案,日本造園学会,ランドスケープ研究68巻3号. pp229-234.
・岩崎哲也(2003)樹木の発炎燃焼性に関連する未燃ガスの発生について,ランドスケープ研究66巻5号. pp485-488.” →J-STAGEリンク
・岩崎哲也、岩河信文(2002)防災機能からみた大館市・能代市における屋敷林構造について,環境情報科学センター,環境情報科学論文集16. pp405-410.
・岩河信文、岩崎哲也(2002)樹木への散水による耐火力の持続性について,明治大学科学技術研究所 紀要Vol41 No.1 pp1-9.
・山田宏之、小坂伸一、岩崎哲也(2001)新島産長石(コーガ石)の採掘残材を活用した人工培養土について,日本造園学会,造園技術報告集1. pp38-40.
・KOSHIMIZU Hajime, IWASAKI Tetsuya, SATO Tadatsugu, ISHIDA Akira(2000)RECYCLING USE OF TREE TRUNK AND BRANCH LEAF CRUSHED MATERIALS TO PLANTED SITE IN URBAN GREEN SPACE,10th IFLA EASTERN REGIONAL CONFERENCE 2000,Journal of Landscape Architecture. International Edition 2000. pp229-234.
・山田宏之、佐藤忠継、澤田正樹、岩崎哲也、角田里美、養父志之夫(1999)環境共生住宅団地の緑化による微気象緩和効果について,日本造園学会,ランドスケープ研究62巻5号 pp635-638.→J-STAGEリンク
発表、報告等
・岩崎哲也(2019)樹木による防火効果について~これまでの検討結果から~,日本緑化工学会誌44巻3号. pp451-454.
・岩崎哲也(2017)樹木による防火効果および定量化に向けた取組,都市緑化技術104号. pp6-7.
・岩崎哲也(2017)樹木の防火機能について-葉の含水率-,巨樹・巨木林No.54.p.32-33.
・岩崎哲也(2017)糸魚川駅北大火における樹木の状況《樹木の防火効果に関連して》糸魚川市宛報告→ダウンロード
・中村和寛、岩崎哲也(2016)植栽後17年を経て枯死したコブシの衰退について,樹木医学会全国大会ポスター発表
・岩崎哲也(2015)まずは鳥が集まる木を覚えるべし!鳥に人気の樹木図鑑,BIRDER 2015年12月号. p6-9.
・野口よしの、岩崎哲也(2015)樹木の地域性系統に関する民間造園実務者へのアンケート意識調査,樹木医学研究20巻1号. pp28-29.→J-STAGEリンク
・東新川寿紗菜、河野有哉、坂尾千恵、友國慎也、中池梓、田中康、岩崎哲也、斉藤庸平(2014)子ども対象自立発展型防災学習プログラムの提案,日本造園学会関西支部会ポスター発表
・岩崎哲也(2013)ヤドリギ類の不思議な生存戦略,BIRDER 2014年1月号.p26.
・岩崎哲也(2013)災害と樹木医,グリーン・エージ 2013 12月号(480号).pp12-15.
・岩崎哲也、新井孝次朗、小田啓樹、永石憲道、森岡千恵(2013)宮城県における津波1年半後の被災樹木の状況について(2012年秋季),樹木医学研究18巻3号. pp68-69.
・岩崎哲也、新井孝次朗、小田啓樹、永石憲道、美濃又哲男、山下得男、森岡千恵(2013)宮城県における津波5ヵ月後の樹木の被災状況について(2011年夏季),樹木医学研究17巻3号. pp118-119.
・岩崎哲也、新井孝次朗、小田啓樹、永石憲道、美濃又哲男、山下得男、森岡千恵(2012)2011年夏季における樹木の被災状況について,樹木医学会全国大会ポスター発表
・Toshiyuki MIURA, Shigeru KURIKI, Takahiko SUZUKI, TetsuyaI WASAKI, Hiromasa YAIRO(2010)Investigation into secular change of rooftop biotope vegetation management,Urban Biodiversity & Design URBIO 2010ポスター発表
・Tadamasa NAKAMURA, Tetsuya IWASAKI, Tosiya KOTANI, Koichiro KOMAI, Akira KATO(2010)Urban Ecological Network of Nerima City in Tokyo, Japan,Urban Biodiversity & Design URBIO 2010ポスター発表
・岩崎哲也(2009)潮間帯における身近な無脊椎動物への動物観について,ヒトと動物関係学会 動物観研究会口頭発表
・中村忠昌、安部邦昭、岩崎哲也、小木曽 裕、島一喜、松尾恒美(2008)環境共生住宅における希少種の生息状況とその評価について,日本造園学会全国大会ポスター発表
・斉藤庸平、岩崎哲也、岩河信文(2006)防災対策と公園緑地50年の歩み,公園緑地 67巻4号(344号).pp29-33.
・三浦寿幸、岩崎哲也、宮本徹、浦田裕司、栗木茂(2006)屋上ビオトープに関する研究 その2,戸田建設技術研究報告Vol.32 2006.pp1-8.
・田中聖美、岩崎哲也、荻野淳司(2006)市民・事業者・行政による協働組織「練馬みどりの機構」の発足と課題,日本造園学会関東支部会口頭発表
・中村忠昌、安部邦昭、岩崎哲也、小木曽 裕、島一喜、嶋英二、松尾恒美(2006)環境共生住宅における生態環境の保. 全・創出∼鎌倉における事例その3,日本造園学会全国大会ポスター発表
・内田利幸、岩崎哲也、渋谷園美(2005)国営武蔵丘陵森林公園における雑木林の維持管理手法と自然資源の保全・活用,日本生態学会大会ポスター発表
・岩崎哲也、中村忠昌、浜中佳澄(2004)環境共生住宅・レーベンスガルテン山崎その2,日本造園学会全国大会ポスター発表
・手塚一雅、岩崎哲也、霊山明夫(2001)自然とともに暮らせる住宅団地の検討について,日本造園学会関東支部会口頭発表
・佐藤忠継、霊山明夫、岩崎哲也(1999)住宅団地における樹木チップ材の有効活用に関する研究,日本造園学会関東支部会口頭発表
・霊山明夫、中村正博、田中隆作、岩崎哲也(1999)磯の生態園~水俣港湾緑地~,日本造園学会全国大会ポスター発表
・山田宏之、岩崎哲也、今井忠夫(1996)造園用樹木の重量予測回帰式の検討,日本造園学会関東支部会口頭発表
・八尋学、岩崎哲也、岩河信文(1990)都市近郊住宅地における樹木の延焼防止効果,日本造園学会関東支部会口頭発表
実務家教員としての主要業務実績
・石巻トゥモロービジネスタウン街路空間修景設計のための土壌診断/地域振興整備公団
・磐田市鶴ヶ池周辺整備景観設計/静岡県磐田市
・国営海の中道海浜公園を核としたオートキャンプ場ネットワーク計画/建設省九州地方建設局
・大林組技術研究所におけるトンボを誘致するためのビオトープの研究/(株)大林組
・神奈川県立相模三川公園自然観察園基本計画/神奈川県厚木土木事務所
・北九州市本城緑地保全地区に係る環境保全対策計画/福岡県北九州市
・グランドカバー及びガーデニング共同研究会の運営及び緑化マニュアル等の出版業務/(財)都市緑化技術開発機構
・コーガ石(東京都新島産長石)を利用した改良土の性能比較試験/(株)国際新開発
・甲府市フラワータウン基本計画/山梨県甲府市
・甲府市立遊亀公園修景池改修基本計画/山梨県甲府市
・国土交通省屋上庭園モニタリング/国土交通省都市・地域整備局/(財)都市緑化技術開発機構
・埼玉県川口駅西口広場樹木(大ケヤキ)樹勢調査及び樹勢回復手法の検討/埼玉県川口市
・埼玉県自然生態園PHSガイダンス文書作成業務/埼玉県、NTT東日本(株)
・埼玉県立環境科学国際センター生態園実施設計及び動植物モニタリング調査/埼玉県
・高崎市立染料植物園自然生態園基本設計及び実施設計/群馬県高崎市
・館林市城沼における水生植物による水質浄化施設基本計画及び実施設計/(株)千代田コンサルタント
・脱臭用土壌の開発/(株)東邦レオ、協和化工(株)
・団地環境を活用した都市のヒートアイランド現象緩和のための調査研究/住宅・都市整備公団
・東京都立小山内裏公園管理運営計画/東京都建設局
・東京都港区白金一丁目及び白高児童遊園復旧実施設計/東京都港区
・東京都三宅島における被災街路樹の樹勢及び土壌診断及び街路景観計画/東京都三宅支庁
・東京都緑地保全地域指定予定地自然環境調査(清瀬市中里他3地域)/東京都環境保全局
・東京における住宅団地を活用したビオトープネットワーク化の研究/都市基盤整備公団
・特殊緑化(建築空間緑化)共同研究会の運営及び植物図鑑等出版業務/(財)都市緑化技術開発機構
・都市基盤整備公団における薄層緑化システムに関する調査実験業務/都市基盤整備公団
・戸田建設技術研究所における屋上ビオトープの設計指導及び動植物モニタリング調査/(株)戸田建設
・名古屋市高速1号四谷高針線緑橋及び新池換気所緑化基本計画/名古屋高速道路公社
・練馬区いきものまちづくり活動助成事業/練馬区都市整備公社
・練馬区 石庭みどり講プロジェクト(調査・計画・設計・施工・維持管理)/練馬区、練馬みどりの機構
・練馬区立羽沢緑地 子どもの森事業/練馬区
・練馬区ビオネット計画/練馬区
・練馬まちづくりセンター設立準備/練馬区、練馬区都市整備公社
・練馬みどりの機構設立準備/練馬区、練馬区都市整備公社
・練馬区森のカルテづくりプロジェクト/練馬区
・野田市日本の桜100選街路樹移植に関する調査計画業務/千葉県野田市
・八王子市暁町における宅地開発に伴う自然環境調査/東京都住宅局
・八王子市柚木めぐみ野団地のビオトープ公園基本設計、実施設計、動植物等モニタリング調査/都市基盤整備公団
・防災市街地の緑被空間の整備・管理に関する調査業務/国土交通省国土技術政策総合研究所(建築研究所)
・三鷹の森ジブリ美術館屋上及び周辺のランドスケープ形成のための導入植物種の検討/東京都三鷹市ほか
・緑のリサイクル技術の開発研究/住宅・都市整備公団
・国営武蔵丘陵森林公園における植生管理に関連する昆虫相モニタリング業務/(財)公園緑地管理財団
・目白個人邸ビオトープ等設計業務/(株)アドバンス
・山梨県豊富村立シルクの里公園/山梨県豊富村(現:中央市)
・国営吉野ヶ里歴史公園を核とする歴史的・文化的資源を活用した公園ネットワーク計画/建設省九州地方建設局
・レーベンスガルテン山崎モニタリング調査/都市基盤整備公団
他