藤原 道郎 FUJIHARA MICHIRO 景観植物資源部門・教授
植生図の利活用

 植生景観の空間的な分布であるパターンとそれらの時間的変化であるプロセスを明らかにするためには,現存植生図,旧版地形図,迅速図,空中写真,衛星画像などを用います.
特に現在環境省が整備している植生図は植物社会学的植生調査を基にしており,生物多様性の基礎資料として有効です.
 さらに詳細な植生図は空中写真や現地調査により作成することになりますが,それら植生図には地域の特徴を示す情報がたくさん埋もれています.

海浜植生との共存を目指した多機能な海岸林

 海岸林の多くは防風,防砂などのために地域の人々が長い間かけて植栽してきたものです. 津波被害の軽減など含め防災機能に着目されています.しかし,植栽前の立地は砂浜であり,日本でわずかに残存した海浜植生の上に植栽されたものでもあります.
 そこで,海岸林を適切に維持管理することにより,各地の海浜植生を含む自然環境との共存を図ることが重要です.
 東日本大震災の復興においても,人為的な防潮堤や海岸林の一様な創出ではなく,この本来の自然は何か,という視点が重要であり,そのことにより持続可能な安全安心な社会も築くことができると考えています.
 海岸林には多様な生態系サービスがあり,それらの解明と利活用が地域活性にも貢献すると考え,具体的な調査や維持管理活動を通じて,持続可能な淡路島の実現と淡路島からの発信を目指しています.

地域資源としての自然環境

 日本の暖温帯域において竹林(特にモウソウチク)の拡大が問題となっています.植生図や現地調査をもとに,その分布や面積・材積の特定を行うとともに,竹林をいくつかのタイプに分け,具体的な管理目標を設定し,間伐等を含む一連の管理作業も実施しています.これらは学生演習だけでなく,市民向けのセミナーや協働事業などでも行っています.
 タケを防除する対象としてではなく,地域の資源として捉えて利活用につなげたいと考えています.少しずつ前進していると感じています.
 淡路島にはニホンジカやイノシシなどの鳥獣害も発生していますが,地域資源となり得ないか模索中です.学生も地域の皆様方とともに活動し,様々なアイディアを実現していくことから地域がもっと面白くなると考えます.
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