平田富士男 HIRATA FUJIO 景観マネジメント部門・教授

私の教育・研究活動の方向

緑環境は、CO2を吸収する、緑環境は、地域の活性化に役立つ

私たちの身の回りにある「緑環境」はさまざまな効果、機能を持ち、私たちの暮らしの場の環境をよりよいものにしてくれます。 それは、美しい景観の形成であったり、災害時の避難地となったり、人々にレクリエーションの場所を提供してくれたり、あるいはさまざまな生き物の生息の場となったりする、というものです。

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環境省(2005)都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想の検討調査報告書より

私は、最近これらの効果・機能のほか、私たちが排出する
二酸化炭素を吸収してくれたり、都市にクールスポットを作ってくれたりする機能や、コミュニティづくりのきっかけとなる機能、さらには、よりよい都市の環境が地域の活性化をもたらしてくれる機能に注目しています。

しかし、これらの効果・機能はなかなか「目に見えるかっこう」では、私たちの前には現れてくれません。

これを「みんなの目に見えるかっこう」でわかるようにしていくための仕組み、そしてそのことを活かして都市の中に緑環境を確保していくインセンティブシステムを政策提案することが私の研究テーマです。

総論賛成・各論反対を乗り越えていくために

しかし、そのようなさまざまな効果・機能を持った「緑」も、その確保には、まず土地の確保が必要ですし、確保した土地に上に緑化を行ったり、そのあと維持管理を行ったりと、多くの財政支出が伴います。

だから、土地を提供しなければならない人、また財源を負担する納税者にとっては、環境のよい都市をつくる、ということは総論では賛成でも、いざその実現に伴う上記のような負担が具体的に、かつ自身に降りかかって来るとなると、それまでの賛成の意見は急に変わることが多々あります。

結局、都市づくりは「総論賛成、各論反対」の後者の部分をいかに少なくするか、ということになります。

緑の効果を目に見えるかっこうにするシステムを

そのために必要なのは、緑の効果を目に見えるかっこうにして、各論で反対を唱える人でも、その必要性を感じてもらえるようにすることです。

そのためには、「効果を見える化」させる仕組み、システムが必要です。たとえば、緑の二酸化炭素吸収機能が、金額に換算されて購入してもらえる、ということになったらどうでしょう。

「二酸化炭素の排出権取引」というシステムがありますが、全世界をあげて低炭素社会をつくっていくことが課題となっているなか、二酸化炭素の吸収権は取引の対象となる可能性もあるのです。

私は、そのような取引が新たに行われ、それに緑をもつ市民みんなが気軽に参加できるような「二酸化炭素吸収機能取引バンク」のようなシステムを構築する研究をしています。

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筆者が委員長として策定に取り組んだ芦屋市緑の基本計画(芦屋市ホームページにて公開されている緑の配置図)

実(じつ)のある政策提案のために

以上のようなシステムのほかにも、緑や自然環境と調和する都市実現のための土地利用計画制度のあり方、都市農地の利用法、それらの計画を実現していくための誘導政策のあり方、その過程での市民参加のあり方、実現された緑や自然環境のマネジメント方策などを具体的に研究しています。

また、屋上緑化に市民みんなが収穫を楽しみながら取り組めるシステムや、郊外農村部の景観を訪日外国人観光のフィールドにするプログラムの開発などにも取り組んでいます。

これらいずれの研究においても常に考えていることは、緑のもつさまざまな効果を具体的に目に見えるかっこうにし、それが地域を活性化することに実際につながっていくようなシステムや政策の提案です。

そして、そのような具体的な施策手法をベースとして、
「都市全体の緑のマスタープラン」を描いていく手法を明確にしていきたいと考えています。

要は、それらの提案が、住民みんなの合意のもと、実現に向けてみんなが取り組んでいこうとし、その取り組みが経済的にも成り立ち、持続可能な活動となって新たなビジネス、雇用をも創出していく、というふうに「都市にみどりやいい環境を確保する取り組みで『飯が食える』にようにしていきたい。」と考えているのです。

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筆者が所長を務めていた国営讃岐まんのう公園の園内風景(筆者撮影)

技術系行政官としての政策立案実績を活かして

私は、技術系行政官(造園職)として17年間、国(本省・現場)および地方公共団体において公園緑地、都市計画、土地政策の行政実務に携わった後、教育研究の場に転身してきました。

したがって、教育研究の場でもそれまでの行政実務経験を踏まえ、そこで培ったことをさらに発展させるとともに、それらの成果を「これから社会でリーダーとして活躍していく世代」に引き継いでいくことを教育の目標としています。

そして、育てた人材がさらに「自然と共生する持続的で真に豊かな都市づくり実現のためには、何に、どういうふうに取り組んでいけばいいのかを具体的・実証的に、かつ実現可能性をもって示す『政策提案』」を深めていってほしいと願っているのです。

県大 PARK LABO. (神戸市須磨区 落合中央公園内)へようこそ!(2022年9月末をもって閉館しています)

With・Afterコロナ時代を見据え、兵庫県立大学と神戸市は共同で、公園の持つ豊かな資源を活用して、これからの新たなライフスタイル、ワークスタイルを実現する公園マネジメントのあり方を検討する一環として、テレワーク、交流、コ・ワーキング等のスペースを提供する社会実験を行っています。
このため、神戸市須磨区の名谷ニュータウンの真ん中にある「落合中央公園」の管理事務所の一角を活用して「県大 PARK LABO.」を開設、運営しています。

ここでは、「Parkでテレワーク」「Parkで交流、コ・ワーキング」ができます。そして、その利用者の皆さんにむけて「Parkでゼミナール」を開講し、皆さんと公園づくり、まちづくりを考える新たな拠点の形を公園から発信していきます。

平田 富士男/HIRATA Fujio (詳細プロフィールはこちら)

・淡路景観園芸学校 景観マネジメント部門 主任景観園芸専門員
・兵庫県立大学大学院 緑環境景観マネジメント研究科(専門職) 教授
・兵庫県立大学 地域創造機構 地域連携教育研究センター長

環境人間学部「緑の都市づくり計画とデザイン」関係

Traditional Cultural Activities in Traditional Villages, Meet local people, experience local life

We, the University of Hyogo, are offering a special experimental tour for international tourists to interact with local common people in their own homes and try a cultural and traditional activity of their expertise. In the rural area around Kinosaki, many traditional houses and lives still remain. These spots will give you the chance to experience authentic Japanese common people’s lives which you cannot experience in urban areas. Since it is usually difficult for international tourists to enter locals’ houses and interact with them, this is a very special opportunity.
In this tour, you will be able to enjoy a program involving interaction with local people by our arrangement.
Come see another side of Japan, make great memories, and learn about Japanese people’s lives through this tour!
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