研究科11期生 矢口 芽生さん
勤務先:公益財団法人 日本生態系協会
Q1:いまの仕事の概要や面白いところを教えてください。
当協会は、自然環境調査や環境教育、資格試験の運営(ビオトープ管理士、こども環境管理士)、認証制度の運営(JHEP認証、G認証)、政策提言等、様々な視点からアプローチをして自然保護を行っている団体です。
現在、私は観察会(主に昆虫)の講師対応や河川敷内に整備されたビオトープの保全管理、川の歴史や自然等をテーマにした資料館での広報活動や小学生を対象とした学習支援プログラムの運営等を行っています。今の仕事で面白いと感じるのは、自分で内容や説明の仕方を考えて自然保護の取組みや生きもの等について解説を行った時に「分かりやすかった」、「楽しかった」といった感想をいただいた時です。聞くたびに私の自然に対する思いが伝わっているんだなと実感します。他にも、業務ごとに関係する主体が異なるため、多様な意見を聞き自身の学びにつなげられることも面白いと感じます。
Q2:進学しようと思ったきっかけは?
小さい頃から生きものが好きで大学では昆虫や植物等の勉強をしていました。大学在学中に、実際に園芸学校へ行き情報収集もしていく中で、今まで勉強してきた内容をさらに深めつつ、新しい分野の勉強もできると確信し進学を決めました。
Q3:学校ではどのようなことを学びましたか?
保全管理・活用デザイン・施策マネジメントの3つの領域の講義・演習を受け、造園やまちづくり等、園芸学校に進学するまで知らなかった世界の知識を得ることができました。特に、勉強をしていく中で「都市のみどり」の重要性について深く学ぶことができました
Q4:学校の魅力はどんなところにありますか?
多種多様な人たちと出会えることが魅力だと思います。入学者の定員は20人前後と決して多くはありませんが、人によって国籍や年齢、専門分野、経歴等が多様です。そのため、日常生活から講義までのあらゆる場面で色々な世界や価値観と触れ合うことができ良い刺激をもらうことができました。
他にも、常に豊かな自然と触れ合いながら生活できるところも魅力だと思います。学校内外ともに良質な自然環境が残されていることから、日本ならではの自然(四季の移ろい、多様な生きもの等)を感じながら楽しく過ごすことができます。個人的には学内の草地での秋の鳴く虫の虫聞き(鑑賞)が最高です。
Q5:学校で学んだこと、経験したことのどんなことが今役立っていますか?
「生きもの」を相手にする仕事上、「フィールド植物観察演習」や保全管理領域の講義・演習で学んだ知識(生きもの、生態系等)が役立つ場面が多いです。しかし、自然保護の仕事は生きもの以上に「人」を相手にする場面も多く、また人によって考え方も多様です(時には相手と意見が正反対のこともあります...)。そのため、色々な考えを持つ人から意見を聞く力や多様な意見をもとに合意形成を図る力なども必要になってきます。園芸学校では生活しているうちに自然と上記のような力が身についたので、今の仕事に非常に役立っています。
Q6:受験生へ一言お願いします。
「みどり」のことを学びたいという思いがある方は、ぜひ受験をオススメします。園芸学校にはみどりに関する講義・演習が充実しており、たくさんの知識や経験を得ることができます。また3つの領域があるため、今まで知らなかった「みどり」の世界も知ることができます。そして、立地条件も人も何もかもが特殊(良い意味で)な学校なので勉強以外にもたくさんのこと(遊び、友情、恋…)を学ぶことができます。
「みどり」を学びたい人を、園芸学校はいつでもお待ちしています。少しでも気になる方はぜひ一度お越しください。きっと素晴らしい世界が広がっています。