(2018年学校報より)園芸療法課程(通学制)を修了して

はじめに
 淡路島で生まれ育った私は、淡路景観園芸学校を高校生の時から知っていました。小さい頃、山や海で遊び、自然が大好きで、いつかこの学校で学んでみたいな、と思っていました。
 大人になり、子どもを産み、育児中心の生活を送っていた頃、ふっとその想いがよみがえりました。きっかけは、実家である淡路島の里山の手入れをする人がいなくなり、草木が生い茂り、どんどん荒れていく里山を放っておけず、学校に行けば里山を生かすヒントが得られるかもしれないと考えたからです。
 こうして、取得していた資格で受験資格があった事、ちょうど通学制が出来ていた事で、長女が1歳の時、憧れだった淡路景観園芸学校に入学しました。

 

子育てをしながらの学び
 通学制1年の途中で第2子を妊娠し、2年に進級する前に1年間休学しました。その後復学したのですが、2年生は実習が主だったため、2人の子育てをしながら、実習のレポートを作成するのは、本当に大変でした。関わってくださった沢山の方達の支えがあり、なんとか乗り切る事が出来ました。
 実習先の作業所の職員様、利用者様には、温かく見守っていただき、プログラムの工夫、評価など、私がチャレンジしたい事などを、快く承諾してくださり良い経験が出来ました。そして、実習中、ずっと支えてくださったスーパーバイザーの先生、園芸療法課程の先生方のおかげで子育てをしながら学ぶ事ができ、かけがえのない時間を過ごす事が出来ました。   
 一緒に学んだ同級生達とは、卒業後も園芸療法のイベントなどで会う機会があり、素敵な仲間と出会えた事も、とても幸せです。学生生活の2年間、ずっと応援してくれていた家族にも本当に感謝しています。
 大人になっても、子育てをしていても、人と関わり、知らない事を知る、という事はとても大事で、淡路景観園芸学校で学んだ経験は、私の人生を大きく前進させてくれました。

 

里山と園芸療法
 卒業後、第3子、第4子を出産した私は、子育て中心の毎日を送っていますが、家族とともに里山整備も少しずつ行っています。
 里山には生き物が沢山住んでおり、昆虫好きの主人は、自分の子どもや近所の子ども達、子どもの同級生達と一緒に、虫捕りや、生き物の観察をしています。そんな様子を見て、里山の生き物と子ども達を繋ぐ事、そして子ども達が生き生きと自分を表現できる場作りをしたいという想いが膨らんできました。そうして、家族と話し合い、考えをまとめ、平成最後の春に、「子ども自然観察会」を企画、実施しました。
チャレンジしたい子ども達が、自分の好きな生き物や植物について、参加した他の大人や子ども達の前で発表するというものです。始まる前は、どんな風になるのかドキドキしましたが、8名の子ども達が、約30名の人たちの前で、生き生きと発表しました。絵本を読む、仮装をする、詳しく生態について調べてまとめたものを発表する、クイズを出すなど、それぞれが自分らしい表現方法で堂々と伝える事が出来ました。それをしっかりと見守った子ども達、大人達にも感謝の1日になり、里山と園芸療法をつなぐ始まりの日になりました。
 今後、里山を生かした園芸療法として、どんな事が出来るのか、家族や支えてくださる方達の意見を聞きながら、1歩、1歩、子育てをする様に、成長していけたらと思います。
「子ども自然観察会」は、また開催してほしいという声をいただき、春、夏、秋、冬と季節ごとに長く続けていきたいと考えています。

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