研究科11期生 谷河 澪さん

勤務先:国土交通省近畿地方整備局

 

Q1:いまの仕事の概要や面白いところを教えてください。
 近畿地方整備局は近畿地方における河川や道路、港湾空港、公園等の公共事業を行っており、私は現在、六甲山系の砂防事業に携わっています。砂防事業とは砂防堰堤の整備等により土砂災害から人々の生活を守る事業です。その中でも六甲山系では砂防事業として樹林帯(グリーンベルト)を守り育てることで山自体を土砂災害に強くし、安全で豊かな自然を守る「六甲山系グリーンベルト整備事業」を行っています。適切な整備のための水文や生物調査、急傾斜地における斜面対策、企業や市民等とともに行う森づくりの事務局等、業務の中で関わる人や分野も多岐にわたるため難しさを感じることもありますが、自らの働きが市民の安全なくらしにつながっていることを実感できる仕事だと思っています。

 

Q2:進学しようと思ったきっかけは?
 六甲山のふもとで育ったので子供の頃から森や植物が身近にあったことと、防災についても学びたいと思っていたことから、学部生の頃は樹木×防災が卒論のテーマでした。卒論を進めていくうちに樹木そのものへの関心が高まり、より植物自体について知りたいと思ったところ「みどり」専門の学校があることを知りました。実際に見学に訪れてみると広大なキャンパスに加えて淡路島の自然やくらしにも心惹かれ、めっちゃ良い!ここで暮らしたい!と思ったことが進学のきっかけです。

 

Q3:学校ではどのようなことを学びましたか?
 学校では保全管理、活用デザイン、施策マネジメントの3つの領域の授業があり進学した当初、特に知りたいと思っていた森や川といった自然の中の植物だけではなく、植物の生理生態、育成管理、デザイン、園芸療法、人の認識や関わり、法令といった様々な分野の授業を通して、社会、くらし、生態系など様々な視点で「みどり」とはなにか、その重要性や役割を知ることができました。

 

Q4:学校の魅力はどんなところにありますか?
 当たり前といえばそうなのですが、どの授業も植物が主題であることが面白く、加えて2年間の島暮らしで植物+各々が興味のあることにどっぷり浸かることができる所が魅力だと思います。支えてくださる先生方の万全のバックアップで、なんにでもチャレンジできる環境です。朝起きて、ガーデンや畑で作業して授業へ、授業で得た情報をもとに植物図鑑を携えて島探索に向かい、夜は収穫した野菜で仲間と夕食づくりをして、、、得難い経験が得られる場所だとも思います。

 

Q5:学校で学んだこと、経験したことのどんなことが今役立っていますか?
 学生の頃は植物漬けの生活をしていましたが、現在の仕事では、河川や道路の整備や維持管理等を行っており、植物を主とする業務に携わることは珍しいように思います。けれども、都市空間での緑の利活用、山から海へと繋がる流域としての山林の役割や工事における植物の取り扱い方など、携わる業務の様々なところで、植物の種類や、生態系の話、デザインや緑の利用方法など、学校で得た様々な知識が必要だと感じます。また、多くの人と連携しながら業務を行っていくことが多いため、授業や淡路島で過ごす中で、先生方をはじめとして一緒に勉強する仲間、お世話になった企業やボランティアの方、そして地域の方とたくさんの人と関わることができたことも今に活かされていると思います。

 

Q6:受験生へ一言お願いします。
 各分野のエキスパートである先生方の指導と広大な学内のフィールドによる実践的な講義や演習、寮生活ならではの学校との距離の近さや人とのかかわりなど充実した設備と環境の中で学べる場だと思います。
少しでも興味を持たれた方はぜひ一度学校を訪れて頂ければと思います。なんとなく興味があるかもと思っていたところを、うっかり私のようにここで暮らしたいと思ってしまうかもしれません。そして入学された暁には、長いようであっという間な2年間、様々な経験を得られる機会がたくさんあると思います。なんか面白そう、と感じたことを大切に過ごしてくださいね!

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