1.キショウブ
学 名:Iris pseudoacorus
科 名:アヤメ科
原産地:地中海沿岸
植栽場所:風の庭の水辺
キショウブは多年生の抽水植物で草丈は50~120cmほど。日当たりの良い水湿地を好み、丈夫な植物です。生息環境としては湖沼、ため池、河川、水路、湿った畑地、林縁があります。花期は4~6月です。
水辺に鮮やかな黄色の花を咲かせ、水中の窒素、リン、塩類の吸水性に優れていることから人気がある植物のようですが、実は明治時代に観賞用として日本に導入されており、日本の侵略的外来種ワースト100指定種および外来生物法では「要注意外来生物」に指定されているのです。繁殖力が強いため、在来のアヤメ属との交雑、在来の水生植物との競合の恐れがあります。また、丈夫な根茎と多量の種子散布を行うことからなるべく使用を避けたい植物です。
「文化の中のキショウブ」
キショウブはアヤメ科で、在来種ではないのでアヤメ科在来種と日本の文化とのつながりについてお話したいと思います。
2000年以上前の縄文時代末期から稲作が始まりましたが、当時はアヤメ科のノハナショウブの花が咲くのを見て田植え時期が来たと判断していたようです。つまり、梅雨を告げる季節の花であり、稲作における指標として活用されていたのですね。
キショウブは黄菖蒲と漢字で書きます。この「菖蒲」は江戸時代からは「尚武」という言葉にかけて5月5日には男の子の誕生と成長を祝う「尚武の節句」として鎧や兜を飾り、立身出世を願ってこいのぼりを立てるようになったようです。
<参考①:みんなの花図鑑 https://minhana.net/wiki/>
<参考②:侵入生物データベース 国立研究開発法人 国立環境研究所>