5.コノテガシワ
学 名:Platycladus orientalis
科 名:ヒノキ科コノテガシワ属
原産地:中国
植栽場所:コニファーガーデン
コノテガシワをふと見ると、トゲトゲとした実があります。硬そうに見えますが、案外軟らかい実をしています。
昨今、多くのコニファーが流通していますが、今回紹介するコノテガシワは『コノ手ガシワ』というように、枝葉が開いた手のように見え、その枝葉が垂直に一平面で立つ、コニファーの中でも特徴のある樹木です。
コノテガシワは、中国原産の常緑小高木であり、日本では、おもに生垣や庭園樹として広く植栽されています。
高さは5~15mくらいになります。幼時は成長が早いですが、成木になると樹形が崩れていきます。そのため、成木になったら、刈り込みを充分に行い、枝葉量の重みを減らして、樹形を整えることが必要です。
葉は鱗片状で対生につき、枝が縦につきます。また、葉の表裏は一目で区別できません。この「表裏がわからないこと=二様または両面にあること』に由来して、『児の手柏の二面(このてがしわのふたおもて)』というたとえ・古歌にも使われています。
球果は角ばった、少し痛々しい姿をしていますが、一箇所にまとまって付くので、なんとなく愛らしく感じてしまいます(筆者の意見)。また、花期は5月で、筆者はよく球果は見るのですが、花は見たことがありません。雄花は黄褐色、雌花は淡紫褐色でともに枝先につきます。
文化の中のコノテガシワ
漢方では、若い枝葉を乾燥させたものを側柏葉(そくはくよう)、種子を乾燥させたものを柏子仁(はくしにん)といい、滋養強壮や下痢剤などに用いられます。
<文献資料①:濱野周泰(2005),原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木,柏書房>
<文献資料②:上原敬二(2012),樹木ガイドブック,朝倉書房>
<文献資料③:岩崎哲也(2012),都市の樹木433,文一総合出版>
<文献資料④:http://dictionary.goo.ne.jp/jn/81055/meaning/m0u/>