5.ナンキンハゼ
学 名:Triadica sebifera
科 名:トウダイグサ科ナンキンハゼ属
原産地:中国
植栽場所:西作業室、風の庭近く
遠目でみると、一つの葉が少し垂れ下がっていて、それが群となり、樹木全体がきれいに紅葉なったのをみることができます。今回は、モミジやニシキギに紅葉が負けずとも劣らないナンキンハゼを紹介します。
ナンキンハゼは、中国原産の落葉高木であり、日本では、本州から沖縄にかけて広く栽培されていて、九州の一部では野生化をしているそうです。また、庭木や公園、街路樹として広く植栽されています。
高さは15mにもなり、成長がとても早いです。萌芽力が著しく強く、強剪定でも耐えます。ちなみに去年、キャンパス内のナンキンハゼが台風により倒木して、切り株状になりましたが、切り株から萌芽して、現在でも右の写真ようになっています。
葉は互生につき、某国民的人気アニメのネガティブキャラクターに形が似ていますね。先端が鋭く尖っているあたりがそっくりです。また、葉柄がとても長いのも特徴の一つです。また、葉は垂れ下がっているので、葉の表の断面がよく見えて、紅葉するととてもきれいに見えます。
また、果実はポップコーンのような白い実がなります。果実は鳥が好むため、鳥散布により繁殖します。ちなみにキャンパス内にも何カ所かナンキンハゼの実生が確認されているので、繁殖力もとても強いです。
文化の中のナンキンハゼ
享保年間(1626年ごろ)に中国上海から長崎に渡来してきました。そのため、長崎県では街路樹として、もっとも多く植えられています。また、もともとはロウや油を採取する目的で持ち込まれたらしいです。現在は、石鹸や蝋燭などの原料としても用いられています。
<文献資料①:濱野周泰(2005),原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木,柏書房>
<文献資料②:上原敬二(2012),樹木ガイドブック,朝倉書房>
<文献資料③:岩崎哲也(2012),都市の樹木433,文一総合出版>
<文献資料④:矢口行雄、(2013),樹木医が教える緑化樹木事典,誠文堂新光社>