4.アオキ
科名:ガリア科
学名:Aucuba japonica
分布:北海道南部~沖縄
植栽場所:玄関前、エルフガーデン等
常緑の葉の緑色が多い今の時期ですが、明るい黄緑色で目立つ植物があります。アオキという木で、大きな葉と赤い実をつけているのが特徴です。
アオキは常緑の低木で、北海道南部から沖縄までに分布しています。高さが1~3メートル程度になり、樹林や低山の林内によく生えています。野生のアオキでは、写真のような斑入りではない緑一色のものが多く見られますが、斑入りのものもあるそうです。
筆者はまだ野生で斑入りのアオキを見たことがないので一度見てみたいです。
今回紹介しているアオキは「フイリアオキ」という栽培品種で、黄色の斑が入ったものです。この黄色と赤い実があるおかげで遠くからも目立って見えます。
アオキの葉はのっぺりして光沢が強く、大きくて数の少ない鋸歯を持ちます。直感的にも見分けやすい葉なので、テストに出るときはありがたい存在です(笑) 皆さんも学校に来られた際にアオキを探してみてはいかがでしょうか。
ところでこのアオキ、押し葉にしたり枯れたりすると黒くなってしまいます。黒くなった成分には薬効があり、やけどや解熱、漢方薬の着色にも使われるそうです。
生きているときはきれいな葉なので、教材用に使えるかと思い実際に採取したのですが、黒くなり元の見た目とかけ離れたものになりました。
“ クローズアップ「実と種」”
今月のテーマ、アオキの実と種についてクローズアップします。アオキは冬から春にかけて2センチ程度の赤い実をつけます。アオキと同じく緑の葉に赤い実という組み合わせはほかの植物でもよく見られますが、アオキの実は比較的大きくて見応えがあります。
種を取り出すと、透明感のあるものが出てきました。アオキは主に鳥散布、鳥に食べられて散布されるのですが、思ったよりも食べられる部分が少ないなと感じました。
参考文献:
1) 林弥栄(1985)山溪カラー名鑑.株式会社 山と溪谷社,東京,533pp.
2) 北村文雄・巽英明・妻鹿加年雄(2001)NHK趣味の園芸 樹木図鑑.日本放送出版協会,東京,378pp.
3) 林将之(2010)葉で見分ける樹木 増補改訂版.株式会社 小学館,東京,162pp.