5.エノキ
学 名:Celtis sinensis
原産地:日本、朝鮮半島、中国
科属:アサ科エノキ属
植栽場所:花の庭のエントランス、分区園とトンネルの間
遠目で何となく眺めていると、ケヤキ?ムクノキ?かと思いましたが、葉っぱとか樹皮を見れば一目了然です!!
そんな木がエノキです!!!筆者はそんな三種類の樹木をニレ科(エノキはアサ科ですが、、、)三兄弟と呼んでいます笑。
今回は、8,9月に小さな赤い実が熟しているエノキを紹介します。
エノキは、本州から沖縄まで、丘陵や山地のやや湿気のある日当たりのよい場所に自生し、
人里近くの雑木林などにも多く自生しています。また、庭木や公園樹に広く植栽されている落葉高木です。
高さは20mにもなり、成長が早く、剪定にも耐え、移植も比較的容易で、萌芽力にも富みます。
葉は互生につき、葉縁は、葉の真ん中辺りから先端にかけて不揃い丸い鋸歯があります。
また、葉の形は左右対称ではありません。葉の表はすべすべしていて光沢がありますが、裏はざらざらしています。
ルーペではあまり分からなかったのですが、顕微鏡では主脈と側脈には毛が見られました。心なしか主脈のほうが毛は長く、
太い気がします。葉をちぎるときゅうりの臭いを強くした感じで、味は無味でまずかったです(筆者の見解)。
ちなみにケヤキの葉は表がざらざらしており、鋸歯が鋭く、上向きにつきます。筆者は意識が高いケヤキと覚えています。
ちなみにニレ科三兄弟の長男です。
また、ムクノキの葉は、葉先が尾状に尖り、葉縁の鋸歯が鋭く尖ります。エノキは葉の半分から先端にかけて鋸歯がありますが、
ムクノキはより基部・葉柄に近いところから鋸歯が見られます。筆者は実は負けず嫌いで、言い返されても意外と従わない頑固さで、
鋸歯を尖らせたことから、ニレ科の三兄弟の次男坊の位置づけをしております。
ということは、エノキは末っ子、三男坊ですね!!
花は、花期が4~5月で、新緑色の花色で、葉の展開と同時に咲くのが特徴です。
熟していない黄色の実は、舌にざらつき、無味でまずく、熟した赤い実は、舌のざらつきが少なく、
ほのかぁぁぁに甘く感じました(筆者の見解)。 それでも鳥は好んで食べるそうな、、、う~ん、人と鳥との味覚はやはり違うのでしょうか、、、
また、エノキは日本の国蝶であるオオムラサキとゴマダラチョウの食樹(チョウが幼虫の時にエサとする葉の種類)となっています。
たしかに、キャンパスのエノキも葉が穴だらけになっていましたね。はてさてどなたの仕業でしょうかね、、、
本校の岩崎先生によると、エノキハムシというハムシが原因だそうです!
「文化の中のエノキ」
古くからエノキは、一里塚(主要な街道に1里(約3.927キロ)ごとに築かれた塚。)として植えられていて、
道標とされたり、橋のたもとや村境に植えられていたそうです。
また、材は白色で変色がしやすいため、ケヤキの代用品で使う程度だったそうです。
<文献資料①:濱野周泰(2005),原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木,柏書房>
<文献資料②:上原敬二(2012),樹木ガイドブック,朝倉書房>
<文献資料③:岩崎哲也(2012),都市の樹木433,文一総合出版>
<文献資料④:菱山忠三郎(2011),樹皮・葉でわかる樹木図鑑,成美堂出版>
<文献資料⑤:中川重年(1991),日本の樹木下,小学館>
<文献資料⑥:矢口行雄、(2013),樹木医が教える緑化樹木事典,誠文堂新光社>