5.カラタネオガタマ
学 名:Michelia figo
科 名:モクレン科
原産地:中国
植栽場所:企業花壇付近
―通りすぎた瞬間、ほのかに甘いバナナの香りがしました。
今回はそんな甘いバナナの香りがするカラタネオガタマを紹介します。
カラタネオガタマは、関東地方以南で、主に庭園や寺社などに植栽されている常緑小高木です。
高さは3~5mで、幹は単幹か株立ち状になります。枝は、よく分岐して繁り、若い枝には褐色の毛が密生します。
葉は互生で、葉柄は全縁でやや波打っており、葉柄には短く褐色の毛があります。また、葉の表は光沢があるのが特徴です。
花は、直径3~4㎝であり、同じタイサンボクなどのモクレン科でも花の大きさはとても小さいです。
移植を嫌い、剪定も好ましくないとされています。
カラタネオガタマと同じ、モクレン科のオガタマノキは、リンゴのような香りを漂わせるそうなので、 今度はオガタマノキも嗅いでみたいですね。
「文化の中のカラタネオガタマ」
カラタネオガタマの‘オガタマ’とは「オキタマ(招霊)」からきた名だそうです。
なので、日本に自生するオガタマノキ同様、霊木として、神社や寺院に多く植栽されています。
オガタマノキは高さが15mに及ぶ高木になりますが、カラタネオガタマは大きくても5m程度なため、管理がしやすく芳香もあるため、庭木としても人気があります。
<参考①:濱野周泰、『原寸図鑑 葉っぱで覚える樹木』柏書房、2005年>
<参考②:上原敬二『樹木ガイドブック』朝倉書房、2012年>
<参考③:岩崎哲也『都市の樹木433』文一総合出版、2012年>