2. ヒイラギモチ
科名:モチノキ科
属名:Ilex cornuta
分布:中国、朝鮮半島
植栽場所:一般駐車場付近園路沿い、ヤナギ付近
花の少ない時期ではありますが、赤く実らせた、一際目立つ樹木があります。
どこか、クリスマスを彷彿とさせられますね。
ヒイラギモチ。聞きなれない名前かもしれませんが、「シナヒイラギモチ」「ヤバネヒイラギモチ」「チャイニーズホーリー」などの別名を持ちます。中国東北部原産となる、常緑小高木です。
葉は互生につき、さわると厚みを感じることができます。モチノキ科特有の形質ですね!何より特徴的なのは、鋸歯の形です。肩が棘のように鋭く、3つの鋸歯を持つ葉もあれば、なで肩のように滑らかで、先だけ鋭くなる葉もあります。成木になると鋸歯がなくなり、全縁になる葉もあるとのこと。年をとるにつれ、丸くなるのですね。自分もそうなりたいものです。
もうひとつチェックすべきは、腋芽です。シナヒイラギモチの腋芽はブツブツとしていて、色は紫色。なんともグロテスクですが、非常に面白い形状です。シナヒイラギモチを見かけた際には、じっくり観察してみてください!
“クローズアップ「実と種」”
シナヒイラギモチの実と種についてクローズアップしたいと思います!シナヒイラギモチは雌雄異株であり、11月~2月にかけて、球状の核果を結実させます。写真はその実となります。赤く、大量に実らせるその姿は圧巻ですが、実ひとつひとつを見てみると、光沢はなく、少し地味です。
赤い果肉を剥ぎ取ると、その中には米粒のような種子が入っていました。3つの実の果肉を剥ぎ取ってみたところ、それぞれ4つの種子が含まれていました。どうやら、ひとつの実の中に、4つの種を含むようです。
実はメジロやヒヨドリなど、鳥によって食べられ、種子が散布されるとのこと。食べて運んでもらうことを狙うならば、その葉の鋸歯では鳥が嫌がるのでは?と思う今日この頃でした。
参考文献:
- 岩崎哲也(2014)都市の樹木 433.文一総合出版,東京,239pp.
- 濱野周泰・石井英美(2007)原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木.柏書房,東京,192pp.