3.ノグルミ
学 名:Platycarya strobilacea
科 名:クルミ科
原産地:本州(神奈川県以西)、四国、九州、朝鮮、中国、台湾
寒くなり、落葉樹は葉を落として冬の姿になっていますね。
ノグルミもすっかり葉を落とし、枝先に果穂だけが残った姿を見ることができます。
今回は、その果穂を中心に紹介していきます。
落ちている果穂を見つけたので拾ってみました。
とげとげしているように見えますが
触ってみると意外と柔らかく、独特の弾力があります。
逆さにして振ってみると、とげの間から平べったいタネのようなものが出てきました。
これは、堅果と言い、どんぐりと同じようなものです。
まだ枝についている果穂を一つだけ拝借して、落ちていたものと見比べてみました。
左が落ちていたもので、右が枝についていたものです。
左はおそらく昨年の果穂です。とげとげしていますね!
右の方の果穂をよく見てみると、トゲの隙間に堅果が詰まって
いました。
フォルムも手触りも、左の方が私は好みです(^^)
堅果は熟すと、果穂のトゲの間から一つずつ落ちていき、果穂は残ります。
これは、ノグルミの6月の姿です。
黄色の穂のようなものが花です。
この写真をよく見ると、黒っぽい果穂がついていることが分かると思います。
このように、ノグルミは昨年の実と当年の花を同時に見ることができます。
来年の6月にノグルミを見かけた方は、是非その姿も観察してみてください。
「文化の中のノグルミ」
去年、木の実に関する研究をしていた先輩から聞いたのですが、淡路島のある地域ではノグルミの果実のことを「サルノクシ」と呼ぶそうです。
さらに調べてみると、「キツネノカミスキ」と呼ぶ地方もあるみたいです。
聞いたところによると、ノグルミの果穂で髪をとぐとさらさらになるとか・・・
実際に自分の髪をといでみました!
といだ部分がちょっとサラサラになっているような気がしました。ですが、果穂が小さいので髪全体をとぐのは骨が折れそうです。(笑)
本当になるかどうか、みなさんも試してみて下さいね。
<参考①:樹に咲く花 離弁花① 山と渓谷社>
<参考②:日本の樹木 山と渓谷社>
<参考③: 日本の樹木 小学館>